都民がやっと気づいた小池百合子の賞味期限。儚くも消えた「日本初の女性総理」の夢、都知事の椅子にすがるしかない小池劇場に響く四面楚歌

 

都知事選で3選を狙う道しか残されていない小池氏

しかし、この乙武氏の強気のアピールが自民党からソッポを向かれる原因となり、乙武陣営は寝ていても勝てる予定だった7万票もの自民票を失ってしまったのです。その結果、主力エンジンを失った乙武氏は急降下してしまい、告示から3日後の4月19日の調査では、9人の候補者中6位に沈んでしまいました。

この報道を受けて、慌て始めたのが創価学会の女性部でした。公明党の支持母体である創価学会としては、いくら推薦を見送ったと言っても、小池知事が応援している乙武氏があまりにも情けない負け方をしたら恰好がつきません。そこで創価学会の女性部の一部が投票へ走り、乙武陣営は約1万票を積み増したと見られています。

つまり、乙武氏の得票数19,655票のうち、半分は創価学会の同情票だったわけであり、もしも創価学会が動かなければ、乙武氏はさらに順位を落とし、供託金も没収されていた可能性が濃厚だったのです。仮にも都民ファーストの会と国民民主党が推薦し、小池百合子知事や玉木雄一郎代表が応援演説をした候補が供託金を没収されるほどボロ負けしていたら、候補者本人だけでなく、推薦した政党にも今以上の大きなダメージがあったでしょう。

今回、乙武陣営の最大の敗因は、自分の人気だけで勝てると思い込み、自公への根回しを軽視した小池百合子知事の「慢心」だと見る声も多く挙がっています。読売新聞の報道によると、小池知事は4月上旬に萩生田氏に電話して、連絡が3月28日になってしまったことについて、そして自分の一存で乙武氏を担いだことについて、謝罪したそうです。また、萩生田氏は小池氏から謝罪の電話があったことを認めた上で「(乙武氏ではなく)普通の人を出していたら勝てたよ」と述べたそうです。

こうした流れからも分かりますが、冒頭でも書いたように、今回の結果は乙武氏の大惨敗というよりも小池知事の大惨敗なのです。そして逆に言えば、乙武氏は小池知事に応援されたことで票を減らした一面もあったと思います。

小池知事には学歴詐称疑惑だけでなく、関東大震災で虐殺された朝鮮人らを弔う式典への追悼文を中止した問題、森喜朗元首相の言いなりで強行している神宮外苑の再開発を巡る問題、葛西臨海公園の大量の樹木伐採と太陽光利権の問題、築地市場跡地の再開発を巡る問題など、ゼネコンとの癒着が噂される数多くの疑惑があります。

また、都知事選に初出馬した時に掲げた「12のゼロ」という公約は、2期8年経った現在、1つも達成していません。その上、記者クラブを牛耳り、自分の定例会見ではやりたい放題。政治に興味のない約半数の東京都民も、そろそろ小池知事の独裁ぶりに気づき始めており、それが今回の乙武氏の大惨敗につながったのです。

すでに国政への復帰の道は断たれ、もはや7月の都知事選で3選を狙う道しか残されていない小池知事ですが、学歴詐称問題を告発した元側近の小島敏郎氏は、小池知事が「カイロ大学卒」という学歴を公式プロフィールに明記したまま出馬した場合には「公選法違反で刑事告発する」と明言しました。

都知事選の投開票日は7月7日ですが、告示日は6月20日なので、あと40日ほどしかありません。今回の補選で完全に「賞味期限切れ」を露呈してしまった小池百合子知事が、自民党の裏金議員のツートップである二階俊博氏や萩生田光一氏とベッタリ癒着している小池百合子知事が、一体どんな手に打って出て来るのか?8年間もの小池都政に苦しんで来た東京都民だけでなく、全国の皆さんも一緒に「小池劇場」のエンディングを見守りましょう。

(『きっこのメルマガ』2024年5月8日号より一部抜粋・文中敬称略)

★『きっこのメルマガ』を2024年5月中にお試し購読スタートすると、5月分の全コンテンツを無料(0円)でお読みいただけます。
¥550/月(税込)初月無料 毎月第1~第4水曜日配信

この記事の著者・きっこさんのメルマガ

初月無料で読む

きっこさんの最近の記事

【関連】「そこはダメよ…」小池都知事が弱い部分を責められ「ギャー」学歴詐称でエジプトに握られた弱み 日本の国益に痛みも
【関連】小池百合子が絶たれた「日本初の女性首相」への道。東京15区補選に“女帝”が出馬を断念した深刻なウラ事情

初月無料購読ですぐ読める! 5月配信済みバックナンバー

  • 第262号 小池百合子の賞味期限/食感ビリーバボー/五月/恋愛小説のススメ(5/8)
  • 第261号 補選から解散総選挙へ/女五十にして立つ/霾る/きっこのジャンケン必勝法(5/1)

いますぐ初月無料購読!

<こちらも必読! 月単位で購入できるバックナンバー>

初月無料の定期購読のほか、1ヶ月単位でバックナンバーをご購入いただけます(1ヶ月分:税込550円)。

2024年4月配信分
  • 第260号 米国の人殺し予算案が可決/カササギ橋を渡れば/春窮/スパイシーな指摘(4/24)
  • 第259号 待てばカイロの疑惑あり/きっこフェノメノン発動!/チューリップ/お気に入りのYOU TUBEチャンネル(4/17)
  • 第258号 岸田首相の卒業旅行/武蔵野物語/弥生/上には上の電動アシスト(4/10)
  • 第257号 被害拡大必至の紅麹事件/天皇の黒猫/入学/22人の佐藤さん(4/3)

2024年4月のバックナンバーを購入する

2024年3月配信分
  • 第256号 内閣府の世論調査/映画の時間と集中力/海雲/素数ゼミの逆襲(3/27)
  • 第255号 高齢者は集団自決すべき?/猫の学校/続・初花/厚揚げとニンニクと九条と(3/20)
  • 第254号 復讐するは我にあり/初花/言うは易く行なうは難し(3/13)
  • 第253号 保身のための大量虐殺/ホイットニーな日々/春眠/首を長くして待っていたニュース(3/6)

2024年3月のバックナンバーを購入する

2024年2月配信分
  • 第252号 インバウン丼と観光業界のドン/きっこのラジオライフ/磯巾着/UFOが飛べば磯巾着に着地?(2/28)
  • 第251号 疑惑だらけの獄中死/春の怪獣祭り/獺魚を祭る/骨折り損のホニャララ儲け(2/21)
  • 第250号 ビッグマックが買えなくなる日/卵が先か?始祖鳥が先か?/鴬餅/オコタルトの謎(2/14)
  • 第249号 国民目線の質疑とは?/昭和の鰹節物語/猫柳/ラジオ体操の日々(2/7)

2024年2月のバックナンバーを購入する

image by: Instagram(yuriko.koike

きっここの著者の記事一覧

「きっこのブログ」のメルマガ版です。ブログと同様に、政治や芸能から文学やお料理、流行やファッションから日々の出来事まで、多岐にわたって綴って行きますが、よりディープに攻めて行こうと思っています。

有料メルマガ好評配信中

    

この記事が気に入ったら登録!しよう 『 きっこのメルマガ 』

【著者】 きっこ 【月額】 ¥550/月(税込) 初月無料! 【発行周期】 毎月 第1水曜日・第2水曜日・第3水曜日・第4水曜日予定

print
いま読まれてます

  • 都民がやっと気づいた小池百合子の賞味期限。儚くも消えた「日本初の女性総理」の夢、都知事の椅子にすがるしかない小池劇場に響く四面楚歌
    この記事が気に入ったら
    いいね!しよう
    MAG2 NEWSの最新情報をお届け