まさに高市早苗のオウンゴール。奈良県知事選で自民候補が維新に惨敗した明確な理由

km20230412
 

4月9日に行われた統一地方選の奈良県知事選で、日本維新の会に惨敗を喫した自民党。「自民王国」の一つに数えられる奈良県で、なぜこのような事態が起きたのでしょうか。今回の『きっこのメルマガ』では人気ブロガーのきっこさんが、「維新の躍進ではない」とした上で自民敗戦の理由を解説。彼らが有権者から見放された2つの原因を紹介しています。

戦犯は高市早苗。奈良県知事選でオウンゴールの大迷惑

統一地方選の前半戦として9日(日)に投開票が行なわれた41道府県議選と17政令市議選は、翌10日、全議席が確定しました。岩手、宮城、福島、茨城、東京、沖縄を除く41道府県で実施された道府県議選の政党別の当選者数は、自民党が1,153議席と、前回2019年の1,158議席から5議席減らしたものの、総定数の過半数を守りました。

立憲民主党は185議席を獲得し、自民に次ぐ第2党となりました。以下、公明が169、共産が75、日本維新が69、国民民主が31、参政が4、社民が3、大阪維新を含む諸派が78、無所属が493、れいわ新選組は議席を獲得できませんでした。目を見張るのは日本維新の会です。ここでは「諸派」に分類しましたが、地域政党「大阪維新の会」を合わせると、124議席へと大躍進したのです。

また、仙台、静岡、北九州を除く17市で行なわれた政令市議選は、自民が292、公明が171、立民が112、共産が93、日本維新が72、国民が14、社民が4、参政が3、大阪維新を含む諸派が92、無所属が152でした。「諸派」の中の「大阪維新の会」を合わせると、こちらも日本維新が大躍進です。

そして、これらの数字は、同じ国会で議論をする国政ではなく、各県議会、各市議会で議論する地方政治なので、政党別の議席数だけでは計れません。たとえば、日本維新の会は、トータルの議席数では自民の足元にも及びません。しかし、地盤の大阪では、定数79の府議選では55議席、定数81の市議選では46議席と、府議会も市議会も過半数を押さえた上、府と市の両首長選も制しました。

トータルの議席数が圧倒的な自民は、一見、盤石に見えますが、今回の大阪市議選では僅か7議席のみ、定数の1割も獲れなかったのです。そして、そんな自民は、初めから勝ち目がなかった大阪府知事と大阪市長の「ダブル選」で地域政党「大阪維新の会」に敗北しただけでなく、余裕で勝てるはずだった奈良県知事選でも、大差で日本維新の会に敗北してしまったのです。

しかし、これは維新の躍進ではなく、自民が墓穴を掘っただけなのです。何よりの原因は、やはり奈良を地盤とする高市早苗大臣の迷走でしょう。総務大臣時代の行政文書問題で、小学生が見てもバレバレの大嘘を塗り重ねた国会答弁には、国民の7割近く、自民党支持者ですら半数近くが「信用できない」と回答しました。奈良の保守層の「自民党離れ」を加速させた最大の原因は、選挙直前に高市大臣が自分で巻き起こした「捏造騒動」なのです。

この記事の著者・きっこさんのメルマガ

初月無料で読む

print
いま読まれてます

  • まさに高市早苗のオウンゴール。奈良県知事選で自民候補が維新に惨敗した明確な理由
    この記事が気に入ったら
    いいね!しよう
    MAG2 NEWSの最新情報をお届け