小栗旬が“英語の壁”を超えられない理由とは?記者の脳裏に蘇る『スタートレック』スールーの言葉、名優ジョージ・タケイの苦悩と栄光

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2021年の米国版ゴジラ映画『ゴジラvsコング』で研究員役を好演し、ハリウッドデビューを果たした俳優の小栗旬さん(41)。昨年は所属事務所の社長にも就任し、二足のわらじを履きながら仕事に邁進してきました。ところが、日本で先月から公開中の続編映画『ゴジラ×コング 新たなる帝国』では声が掛からずじまい。小栗旬さんは英語習得にも熱心に取り組んできましたが、それでも超えられない“壁”とはどのようなものなのでしょうか?芸能記者歴30年のベテランジャーナリスト・芋澤貞雄さんが解説します。

小栗旬に立ちはだかる「英語力」の壁

ゴジラ、猿の惑星、キングコング、オーメン…ハリウッドでは定番の人気作品ですが、現在ヒット中の『ゴジラ×コング 新たなる帝国』にはお声が掛からなかった小栗旬に『デイリー新潮』がエールを送っています。

アメリカでは2021年3月、日本では同年7月に公開された前作『ゴジラvsコング』出演の際には、多忙のために1度出演を断りましたが、アダム・ウィンガード監督からの直々のオファーに折れ、日本に後ろ髪を引かれながらもロケ地のオーストラリアに旅立った小栗でした。

撮影の半年以上も前から英語のパーソナル・トレーナーを付けハリウッド・デビューした小栗に、ウィンガード監督は熱心にその役柄の重要性や意義、存在感を説いたといいます。

現場では周りのスタッフたちに、漠然と“もし続編が作られるとしたら、間違いなくまた小栗に声が掛かる”と思わせていたのですが…。

『デイリー新潮』は、この監督の“不義理”(?)の原因は、やはり小栗の英語力にあったのではないかと推測しています。

誰もが憧れるハリウッドへは、これまでたくさんの日本では有名な人気者たちがその大きく高い、厚い壁に挑んできましたが、結局共通する問題は“言葉”にあるように思えます。

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小栗が英語で“業界用語”を使いこなすことの難しさ

実際に現場で体験してきた私の感想を言わせてもらえば、製作側は日本人スタッフだとしても、ネイティブに近い…日本で言うところの“業界用語”に対応しなければならない英語力はなかなか難しいものがあると感じます。

語学の習得には努力以上に、その本人の生まれつきの才能や勘が大事になってくるものです。

とっさのひと言やふとした会話にすんなりと英語が出てくるまでになるには、どんなにトレーナーと勉強を重ねても、そのフィーリングは相当高いハードルになってくるわけです。

残念ながら撮影前の半年のレッスンでは、やはりそこまでいかなかった…というのが監督の正直な気持ちだと思われます。

日本で大人気だから集客能力も望めるけど、僕の意図が伝わらず、理解出来ず、あの程度の表現能力では…」と、頭を抱えるトレーラーハウスの中の監督の姿が目に浮かぶようです。

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今の小栗旬に贈りたい、『スタートレック』スールーのことば

この記事を読みながら私の頭の中に思い浮かんだのは、40数年前にアメリカのテレビ局でアシスタントをしていた頃にインタビューした、『スタートレック』に出演したジョージ・タケイの言葉です。

彼はカリフォルニア大学ロサンゼルス校で演劇学の学士号、更に同大大学院で同じく演劇学の修士号を取得したエリートで、『スタートレック』では“ヒカル・スールー”として日本でも人気だった役者です。

そんな彼が「役を得る上で、肌の色は大きなハンディキャップになっていた…」と言ったのです。

ハリウッドに許された名優たちだけが残せる“ウォーク・オブ・フェーム”に名前を刻んだタケイでさえ、そんな苦悩の日々を過ごしていた時期が辛い思い出として残っているわけです。

今ではアメリカ以外の諸国に門扉を開いている努力をしている最中のハリウッドですが、その遥か昔に散々な思いをして勝ち取った“ヒカル”の話は、この小栗のエピソードなど“随分恵まれていたのに…”とさえ思えてきます。

ハリウッド進出から20年の真田広之のように、しっかりと現地に腰を落ち着かせ、多種多様なオーディションを受けまくり、徐々に力を付けてきたとしても、やはり役柄は“サムライ”から離れることができないでいるわけですから…。

こんなブログを書いていたら、大昔、役者志望だったルームメイトの“マイク”に、舞台公演前の相手役を無理矢理やらされたことが走馬灯のように蘇ってきました…。

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プロフィール:芋澤貞雄

1956年、北海道生まれ。米国でテレビ・映画のコーディネーター業を経て、女性週刊誌などで30年以上、芸能を中心に取材。代表的スクープは「直撃! 松田聖子、ニューヨークの恋人」「眞子妃、エジンバラで初めてのクリスマス」。現在も幅広く取材を続ける。https://twitter.com/ImozawaSadao

記事提供:芸能ジャーナリスト・芋澤貞雄の「本日モ反省ノ色ナシ」

image by:厚生労働省, CC BY 4.0, via Wikimedia Commons

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