「いつまでも若手気分」な高齢者は嫌われる。周囲に“扱いづらさ”を感じさせるシニア社員の幼稚な振る舞い

 

日本の会社組織ではエイジズムは「若手育成」「新陳代謝」「権力委譲」などの美しい言葉を“建て前“に横行していますが、40歳以上が労働力の6割強を占める日本です。60歳以上の働き手が就業者全体に占める割合は21.8%で、20~34歳までの就業者割合である23.2%に肉薄しています。

一方で、民間の調査会社の調べでは、60歳以降に転職した理由のトップは「給与への不満」(18.3%)。企業にとってシニア社員は貴重な戦力であるはずなのに、役職定年で減り、再雇用で減り、平然と行われるエイジズムへの対処手段として、「今よりたくさんもらえる企業」に新天地を求めるシニア社員が増えているのです。

私はこれまで50歳を過ぎた途端「用無し扱い」する企業を批判してきました。シニア社員の暗黙知を使いこなせない経営陣を、「きちんと経営せよ!」と糾弾してきました。

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その考えに迷いはありません。50歳になった途端、前日よりパフォーマンスが突然下がるわけじゃないのに、在庫一掃セールのように扱うのは全く理解できません。しかしながら、シニア社員を貴重な戦力と考え、いくつになっても賃金があがる制度を徹底しても、「シニア社員は扱いにくい」と苦言を呈する人があとを絶たないのです。

後輩への技術移転を渋る、自分の仕事しかしない、若手の意見を聞かない、などなど、幼稚な振る舞いをするシニアに頭を抱えていたのです。

最近「老害」という嫌な言葉があちこちで使われているのも、こういったシニア社員の振る舞いが関係しているように思えてなりません。

超高齢社会での「賃金カーブ」はどうあるべきなのでしょうか?かなり大雑把かつ雑な問いではありますが、本当にどうしたらよいのでしょうか。

みなさんのご意見、お聞かせください。お待ちしております。

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