またも「核の恫喝」を始めたプーチン。なぜ欧州はロシアを刺激する“NATO軍のウクライナ派兵”を口にし始めたか?

 

では、欧米の動き

  • アメリカは、ウクライナに9兆3,000億円の支援をする
  • 欧州では、「ウクライナが欧州製の武器でロシア領内を攻撃することを容認すべき」との主張がでている
  • 欧州では、「欧米の部隊をウクライナに派兵する可能性」が検討されはじめている

これらは、いずれも「ウクライナに都合のいいこと」でしょう。

なぜ、ウクライナ支援を半年ぐずっていた欧米は変わったのでしょうか?それを知るためにウクライナの現状を見てみましょう。

一言でいうと「ヤバイ状況」と言えるでしょう。欧米が放っておけば、年内に敗北するかもしれない。これ、私ではなく、CIAの長官が断言しています。「産経新聞」4月19日付。「米CIA長官、軍事支援なければ『ウクライナは年内敗北の危険性が非常に高い』」。

米中央情報局(CIA)のバーンズ長官は18日、ロシアの侵攻が長期化するウクライナに米国が軍事支援をしなければ「年末までに敗北する危険性が非常に高い」と述べた。南部テキサス州ダラスでの会合で語った。

アメリカも欧州も、ウクライナに負けってもらっては困ります。特に欧州は深刻です。というのも、ウクライナ戦争で勝利したプーチンは、おそらくそこでとまらないからです。次のターゲットになるのは、旧ソ連のモルドバ、バルト三国(リトアニア、エストニア、ラトビア)でしょう。実際、モルドバでも、バルト三国でも、ロシアが「ハイブリッド戦争」の準備を進めている兆候があります(この情報は、日本のメディアにはまだ出てきていないようですが)。

バルト三国は、NATO加盟国。もしロシアがバルト三国に侵攻すれば、自動的に「NATO―ロシア戦争」が勃発することになります。

結局、冷静に考えれば、「ウクライナを支援して、ロシアの侵略を食い止める」のが「もっとも安上がり」であることがわかるのす。ウクライナは気の毒ですが、残念ながら「そういう計算」になってしまいます。

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