下請けいじめとセット。トヨタが輸出戻し税に寄生している証拠
「トヨタは消費税を払っていないのに輸出戻し税だけをもらっている」というのは、私が勝手に空想しているのではなく、実際にデータとしても証明されています。
2014年8月の帝国データバンクによる、トヨタ自動車グループの下請け企業の実態調査結果の発表によると、全国約3万社の下請け企業の2007年度と2013年度の売上を比較したところ、2007年度の水準を回復していない企業が約7割を占めたのです。
トヨタ自体は、この間にリーマン・ショックの打撃から回復し過去最高収益を連発していますが、それは下請けにはまったく反映されていないということです。というより、トヨタは下請けに対する支払いを削ることで最高収益を上げたともいえるのです。
当然のことながら、下請け企業が消費税分を価格に転嫁することなどはできていないのです。
また、今年(2024年)の3月には、日産自動車が下請け企業に減額を強要したとして公正取引員会から「下請法違反」だという指摘を受けています。公正取引員会から指摘を受けるというのは相当なことです。これほどの減額要請をしているのだから、下請け企業が消費税分を上乗せして請求できるはずなどないのです。
このようにトヨタでも日産でも、下請けが消費税を価格に転嫁できているとはとても言えないのです。
日本を代表する産業である自動車業界でこのようなことが行なわれているのです。トヨタ、日産だけがやっているとは思えず、日本の輸出企業全体が、同様の空気を持っているといえるでしょう。
その一方で、輸出企業の戻し税は昨今、急激に増額しています。つまり、輸出企業は「戻し税」を丸儲けしているということなのです。
日本の税制そのものがトヨタに歪められてきたという事実
この消費税の戻し税のことだけを見ると、「たまたま輸出企業に有利になっているだけで、仕組みの上では無理のあるものではない」と思う人もいるかもしれません。
ですが、ここ2~30年の税制の流れを見てみると、明らかに輸出企業(特にトヨタ)に有利な方向に行っているのです。
だから、この消費税の戻し税について論じる場合は、税制の大きな流れまで視野に入れて考えないと「木を見て森を見ず」の状態になってしまうのです。









