「人工衛星と称した事実上の弾道ミサイル」はどこに消えたのか?
先の編集デスクによると、北朝鮮の「ミサイル」をめぐる国内報道では、さらに気になる点があるという。
「実は過去に、NHKを含むTV各局や新聞各紙が「人工衛星と称した事実上の弾道ミサイル」というフレーズを好んで使用していた時期があるんですよ。単なるカギカッコ以上に『北朝鮮は衛星と言っているけれど、実際はそうじゃないんだぞ!』という含意が感じられる表現ですよね。ただ、なぜか2023年を最後にぱったりと使われなくなってしまいました」(同)
グーグルでは、キーワードを半角ダブルクォーテーション(””)で囲むことで、完全一致フレーズのみを検索できる。これと期間指定を組み合わせ、ニュース記事のみを対象に「(人工)衛星と称した事実上の弾道ミサイル」を調べると、たしかに昨年11月頃を境にこの表現はほとんど使われなくなっている。
「事実上の弾道ミサイル、という表現は“さすがに盛りすぎ”との判断から、単なるカギカッコ付きの『人工衛星』に移行したのかもしれませんが、各社一斉というのが気持ち悪いところ。新聞社や出版社のニュース原稿は、各社独自の表記ルールや記者ハンドブックにしたがって書くのが通例。逆に言うと、媒体によって多少の揺れは生じるはずなんですよ」(同)
だが、実際はそうなっていない。ということは、NHKなり新聞各社なりに対して「きょうから『人工衛星と称した事実上の弾道ミサイル』という表現は控えるように」と指示した何者かがいる、ということだろうか。あるいはマスコミ側の忖度である可能性もあるか。
「そういえば、ネットで見かけて『なるほど』と思わず膝を叩いたナイスツッコミがあります。ソースが見つからず記憶ベースですが、だいたいこんな感じの指摘でした」(同)
よみ人しらずで恐縮だが、下記に引用しよう。
(1)28日夜に北朝鮮から発射されたのは「ミサイル」で、もし直後に爆発しなければ、沖縄県に着弾する恐れがあったから、わざわざJアラートを発令して国民を守ってくれたんだよね?
(2)つまりあの夜、北朝鮮が攻撃を失敗さえしなければ、わが国は本格的な交戦状態に入っていた、ということだよね?
(3)それって完全に有事だよね?もうすでに戦争が始まってるよね?たまたま偶然、ラッキーな敵失で「ミサイルが着弾しなかっただけ」で、どうして平時モードに戻るの?
北朝鮮が日本を攻撃する意図でミサイルを発射したのであれば、その時点で戦争状態のはず――言われてみればたしかにそのとおり。「攻撃が失敗しちゃったから、さっきのはノーカウントでいいよ!じゃあまたね」のような茶番劇がなぜ繰り返されるのか、NHKの見解をぜひ聞いてみたいところだ。
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