軍との軋轢が広がっているという危険な情報も
ではどうすればいいのでしょうか?
1つ目は【戦時中で大変とはいえ、これだけ世界行脚をする時間があるなら、一度、ゼレンスキー大統領自ら国民に“自分がこのままウクライナの大統領に留まり、戦争を指揮していいのか”と尋ねる】という選択肢です。
本来ならば5月末までにきちんと選挙を行って、国民の信を問うべきところですが、戦時中という特殊事情に鑑みるとそれは無理だと考えます。
しかし、自身の国内外での統治のlegitimacy(正統性)を確認するために、そのような問いを国民に投げかけることはできるはずです。
ウクライナはICTも進んでいると言われていますので、何らかのオンラインプラットフォームを構築して、そのようなコミュニケーションを実施することは可能なのではないかと考えます。まあ私はその専門家ではないので詳しいことは分かりませんが。
2つ目は【世界行脚を再びクレバ外相に任せ、自身は国内に残り、Commander in Chiefとして対ロ抗戦を取り仕切ることでリーダーとしての矜持を示す】という選択肢でしょう。
皆さんもお気づきかと思いますが、ゼレンスキー大統領がオンラインで世界に語り掛けている時の方が、彼の声は他国に届いていたように思います。
戦況が思わしくなくなり、藁にも縋るつもりで飛び回っていろいろな対ロ策を練り、NATO加盟やEU加盟の追求、中国への働きかけ、グローバルサウスへの訴えかけの実施やG7首脳会議への押しかけなどを試してみるものの、正直うまくいっていないように感じます。
国民からも人気があり、現場の指揮を一人で執ってきたザルジーニ前統合参謀本部議長を駐英大使に押しやり、旧ソ連型オールドスクールのシルスキー氏を後任に充てていますが、それからの戦果は乏しいだけでなく、軍との軋轢が広がっているという危険な情報も寄せられています。
ウクライナ国内での対ゼレンスキー不満分子が拡大しているという状況に直面していると言われている中、急に亡命をするのでない限りは、キーウにしっかりと留まり、軍最高司令官としての役割を直接担うべきではないかと考えます。
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