プーチンは戦争が続く限り権力を維持できる「核兵器」を本当に使うのか?独裁者に見当たらぬ停戦の理由

 

まだ調停の機が熟していないウクライナ戦争

紛争調停を生業にする身としては、当事者から依頼されれば基本的にお引き受けしますが、正直申し上げて、ロシアとウクライナの戦争も、イスラエルとハマスの戦いも、まだ調停の機が熟していないと感じています。

ロシアとウクライナについては、先述の通り、プーチン大統領もゼレンスキー大統領も【戦争の長期化が自身の権力の維持に繋がる】と考えているだろうことに加え、軍事的に決定的な結果が生まれず、戦況が膠着状態に陥っているにも関わらず、欧米からの支援を受ける身として絶対に戦争を止めることが出来ず、少しでも領地を奪い返さなくてはならないウクライナと、少しでも有利かつ明確な成果を得ることが最低条件となっているロシアの獲得目標が合致しないため、今、話し合いのテーブルに就くことはないと考えます。

特にウクライナにとっては、現時点でロシアと向かい合い、停戦の条件について話すことは、つまりウクライナの終焉もしくは消滅に繋がる恐れが高く、自殺行為だと認識されているようです。

このような状況では話し合いは平行線を辿りますし、無理難題を主張してあとは相手からの妥協を待ち続けるという“旧ソ連型交渉術”を駆使する双方が当事者であることから、間に入る調停役としては地獄のような状況を覚悟することになります――(メルマガ『最後の調停官 島田久仁彦の『無敵の交渉・コミュニケーション術』』2024年6月14号より一部抜粋。続きをお読みになりたい方は初月無料のお試し購読をご登録下さい)

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