新しいタイプの摂食障害「むちゃ食い症」の経過を調べた研究結果

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新しいタイプの摂食障害といわれる「むちゃ食い症」。この経過について正確に知ろうとする研究結果を、今回のもりさわメンタルクリニックの無料メルマガ『精神医学論文マガジン』で紹介しています。

むちゃ食い症の経過

◎要約:『むちゃ食い症は比較的慢性に経過し、5年で2割程度寛解するが、再発する場合もある疾患である』

過食のエピソードを繰り返す「むちゃ食い症」については、経過について様々な説があります。

今回は、比較的規模の大きい調査で、むちゃ食い症の経過について正確な知識を得ようとした研究をご紹介します。

むちゃ食い症の経過

The natural course of binge-eating disorder: findings from a prospective, community-based study of adults

むちゃ食い症の患者家系に関する研究から、137人について症状経過に関するデータが得られました(78.1%女性、開始時平均年齢:47.2歳、平均BMI:36.1)。

結果として、以下の内容が示されました。

・2年半後では、むちゃ食い症の診断を満たしていたのは61.3%、診断基準以下の症状あり23.4%、症状なし15.3%でした。

・5年後では、むちゃ食い症の診断を満たしていたのは45.7%、診断基準以下の症状あり32.6%、症状なし21.7%でした。

・神経性食欲不振症や過食症への移行はありませんでした。

・寛解までの平均期間は60ヶ月で、再発までの平均期間は30ヶ月でした。

寛解することもあるが、再発・再燃も多い疾患で、長期に渡って慎重な経過観察が必要であると考えられました。

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【著者】 もりさわメンタルクリニック 【発行周期】 日刊

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