小児科のオープンランや救急救命室の「たらい回し」は、政府が、患者を診るほど(病院が)損をする構造を放置した結果だ。医師たちは美容医療、患者たちはビッグ5病院に集中し、必須医療、地方医療がすべて死ぬという声が大きくなると、根本的な手術の代わりに医大増員という対症療法で防ごうとしたが、事故が起きた。
医師の立場では、医師の数が増えて茶碗が小さくなるのも嫌だろうが、医療費の急増と医療の質の下落が火を見るより明らかなので、反発するのが当然だ。にもかかわらず、医・政府間協議も基本的な根拠資料もなく大幅増員を強行した。政府は、医師らが患者を人質に取っていると言うが、医師らは、政府が患者を人質に増員を推し進めたと見ている。
檀国大医学部のチョン・ユソク教授は「一般労働者がストライキをすればオーナーは損をし、競争企業は得をし、消費者は別に影響なしに終わるのに医師がストライキをすればオーナーである政府は損をすることはなく被害は国民に転嫁される」と話した。
2000年の医薬分業ストも、患者が病院と薬局の両方を回るためにお金を使って不便を強いられたことで終わった。当時、医師たちをなだめるために医学部の定員を減らしたが、その被害を今の医学部増員の混乱で経験している。
生業に忙しく、専門医療政策が難しい国民の代わりに、医・政葛藤を仲裁し、国民の利益を守る責任は国会にある。今国会には医師出身の議員が8人もいるのに、頭の痛い医政間の争いに割り込もうとしない。
来年、医師3000人を輩出できず、3000人が学んでいた医学部の教室に留年性(落第生)まで合わせて7000人が入ると、どんなことが起こるだろうか。医師であれ政府であれ国会であれ、未来の患者が受ける被害に背を向けるのは、この上なく無責任で非倫理的なことだし許されるものではない。[東亜日報参照]
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