成熟期日本の未来は暗いのか?
日本が成熟期であること、誰も反対しないでしょう。
だいたい1950年代1960年代が成長期前期。1970年代1980年代が成長期後期。1990年から成熟期。
こう聞くと、「日本の未来は確定的に暗い」と思ってしまうでしょう。
そうではないのです。
「成熟期」、人間でいったら「中年」と思えばいいでしょう。中年は、何歳から何歳なのでしょうか?諸説あるようですが、だいたい40歳から65歳ぐらいまでだそうです。
ところで、「中年」は、「個人差がつきやすい時期」でもありますね。たとえば、福山雅治さんは55歳ですが、相変わらず若くてイケメンです。サザエさんの磯野波平は54歳だそうですが、福山さんと同年代には見えません。コナン君の阿笠博士は53歳だそうですが、福山さんの方が全然若いです(@実在の人物を福山さんと比較するのは失礼なので、アニメキャラと比較しました)。
同じ中年でも、
- 酒量
- たばこをやる、やらない
- ストレスが多い、少ない
- 運動をする、しない
- 体にいいものを食べている、食べていない
- 十分な睡眠をとっている、とっていない
などで、若さに大きな差が出てしまいます。また、出世レベルも、資産状況も、同じ中年(成熟期)でもバラバラであることがわかるでしょう。
実をいうと国もそうなのです。たとえば、国民の豊かさをあらわる指標、「一人あたりGDPランキング2024年IMF版」を見てみましょう。
- ルクセンブルク 131,384ドル
- アイルランド 106,059ドル
- スイス 105,669ドル
- ノルウェー 94,660ドル
- シンガポール 88,447ドル
- アメリカ 85,373ドル
- アイスランド 84,594ドル
- カタール 81,400ドル
- マカオ 78,962ドル
- デンマーク 68,898ドル
トップ10中、7か国が「成熟期」の欧米諸国が占めています。ちなみに日本国は、33,138ドルで、世界38位。34位の台湾、35位の韓国以下という、なさけない結果でした。
長くなるので詳述しませんが、成熟期でなおかつ繁栄している国には特徴があります。
- 一人当たりGDPが高い
- 労働時間が短い
- 汚職が少ない
- 教育レベルが高い
など。
「一人当たりGDPが高い」「労働時間が短い」というのは、要するに「労働生産性が高い」ということですね。日本は、残念ながらまだまだです。
日本は、2年連続で実質賃金が減少しています。にもかかわらず岸田政権は増税路線で、日銀は金利を上げていく。「わざと日本が経済成長しないようにしているのか?」それとも「真正の〇〇なのか?」と理解に苦しみます。
とはいえ、長期的に見れば、日本は「まともで豊かな成熟期の国にむかっているプロセス」と言えるでしょう。
たとえば、「働き方改革」と、新型コロナパンデミックで「テレワーク」が普及したことで、労働時間が短くなりました。
自民党の「裏金問題」は「ひどい!」と思います。しかし、それが表に出て問題視されていることで「汚職が少ない国に向かっている」とも言えます。
実質賃金が低下していることや教育については、問題山積みだと思います。ですが、日本国は一つ一つ問題を克服し、豊かな成熟期の国になっていくでしょう。
私は今回、何を言いたかったのでしょうか?
一つは、「成熟期の国」だからといってい、決して「お先真っ暗」ではない。それが証拠に、「一人当たりGDP」上位は、ほとんど成熟国の国である。これらの国は、日本より所得が高く、労働時間は短く、汚職が少ない。日本も、「成功している成熟期国家」から学ぶことで、豊かな成熟期国家になることが可能。ということです。
それで私は、「日本は成熟期だから衰退は必然です」とはいいません。日本が繁栄するかどうかは、「私たちの行動にかかっている」ということです。明るい未来を築いていきましょう!
(無料メルマガ『ロシア政治経済ジャーナル』2024年6月23日号より一部抜粋)
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