バイデンを“隠居”させるのは「そう簡単ではない」
さて、問題は民主党の側です。TV討論から一度の週末を挟んで色々な議論がされていますが、とにかく「バイデン大統領の健康状態には疑問がある」ということは、今回のTV映像で明らかとなってしまいました。
例えば、6月12日から15日に行われたイタリアでのG7サミットでは、バイデンは首脳夕食会を欠席しています。その時は、高齢なので仕方がないのかもしれないという印象でしたが、もしかすると「異変」は始まっていたのかもしれません。
それはともかく、この週末には様々な論説や憶測が飛び交うことになりました。特にNYタイムスの論説委員会が「バイデンに撤退を勧告」したという記事は、かなり話題になっています。そのうえで、新しい週が開けました。週明けの論調もバイデンにはかなり厳しいトーンとなっています。
CNNがネットメディアの「NEWGOV」と行った世論調査では、「バイデンは大統領にふさわしい認知能力がある」という問いに「YES」と答えた人は28%。つまり72%が不適格としているという内容でした。
一方で、バイデン家からは「家族はあくまで選挙戦の続行を望んでいる」というような情報が流れています。またバイデンの家族はキャンプデービットに集結して、今後の選挙戦をどうするか話し合っているという報道もありました。
その延長で、週明けには「バイデンの選挙運動続行の黒幕はジル夫人」というような、夫人を悪者にするような報道も散見されるようになっています。
そんな中で、バイデンの選対はこれからどんな判断をしてゆくのか、そして民主党はどうやって大統領選を戦うのか、これは大きな問題になっています。
現時点での報道のトーンを総合するのであれば、このままバイデンが選挙戦にとどまるというのは難しそうな雰囲気です。ですが、現時点で申し上げられるのは「問題はそう簡単ではない」ということです。