ボケ老人バイデンを米民主党が切れぬ訳。トランプに惨敗の大統領選TV討論会、「もしトラ」から「ほぼトラ」へ身構える世界

 

バイデン大統領の惨敗は「予想通りの想定内」だった

一方で、民主党の場合は、やはり高齢であるバイデン大統領の健康問題が懸念されます。

その懸念を払拭するには、早期のTV討論を受けて立って、問題のないことをアピールすることは必要でした。例えばですが、3月7日の一般教書演説のように元気な姿を見せれば、一気に選挙戦の勢いが出るという思いはあったと思います。

つまり、民主、共和両党のどちらの側も、党大会の前にTV討論など様々な選挙戦の活動をスタートさせてしまうことには合理性はあったのでした。

仮にトランプの有罪判決の影響が大きければ、大物政治家を副大統領候補に据えるなどの対策が必要だし、また日程の順番からすると、そうした対策を取ることができます。

仮にバイデンの健康懸念が顕著になったとして、その場合も党大会前であれば、大きな変更も可能という計算はあったと思います。バイデンの周囲も、民主党の議会幹部の間でも、そのような計算はされていたはずです。

そんなわけで、誰もがハッキリと口には出していなかったものの、今回の「党大会前のTV討論」実施があっさり合意された背景には、「何かあれば修正」ということが漠然と計算されていたように思われます。

そして、実際のTV討論は、当にそのような修正が「必要」だということを明確にしてしまったのでした。

とにかく、バイデン大統領は全く精彩を欠いていました。顔色は悪く、蒼白という形容そのものでしたし、声はしゃがれていて、しかも弱々しく不明瞭でした。

そのくせ、物凄く「予習」をしてきたようで、決められたセリフは言わないといけないような強迫観念があるのか、言葉を早口で詰め込もうとするのですが、それも上手く伝わらない、そんな感じでした。

また、緊張というよりも疲労のためか、言い淀みや沈黙があったり、辻褄の合わない部分もあるなど、想定された幅の中ではほぼ最悪の内容であったと思います。

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