米大統領選は、あと1ヶ月半で「歴史的な仕切り直し」へ
いずれにしても、民主党の党大会は8月19日から22日の日程でシカゴで行われます。現在の民主党はホワイトハウスの主、つまり与党であることから、伝統に則って野党の共和党が先に党大会(7月15日から19日、ウィスコンシン州ミルウォーキー)を行い、その約1ヶ月後に民主党大会ということになります。
ということは、まだ1ヶ月半という時間はあるわけですが、裏返せば1ヶ月半しかないということにもなります。この間に、民主党内でどのような動きが展開されてゆくのか、歴史的なドラマが生まれるのは不可避であるようです。
一方で本稿の時点では、連邦最高裁がトランプの一期目の在任期間中に発生した様々な事件について「免責特権」が「ある程度考慮される」という憲法判断を下しました。この判決によって、例えば議会暴動の扇動などが全て免責されるわけではありませんが、同事件に関する審理が下級審に送られるなどトランプには有利な状況が出てくることになるようです。
TV討論で健康不安を全米に見せつけてしまったバイデン、一方で穏健派向けのアピールをしつつ、最高裁判決も追い風としているトランプ、この両者の明暗は現時点ではかなり明瞭になっています。
民主党に残されたチョイスは、ハリス後継を軸に団結するか、第三の候補を立てることですが、その動きが顕在化するにはもう少し時間を要するというのが最新の時点での動向と思われます。
※本記事は有料メルマガ『冷泉彰彦のプリンストン通信』2024年7月2日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はこの機会に初月無料のお試し購読をどうぞ。「経団連の思考停止を問う」「今上天皇のガーター騎士団加盟について考える」もすぐ読めます
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