「攻め」と「守り」の対策で人件費を年間3千万円も改善。年商10億円の企業は何を見直したのか

Nara,-,Jan,05:,Barista,Making,The,Coffee,At,A
 

企業経営にとって重くのしかかるのは何と言っても人件費。賃金を保証したまま人件費率を抑えることができれば、雇う側・雇われる側双方がウィンウィンということになるわけですが、どのような手を打てばそんな状況を実現することができるのでしょうか。今回のメルマガ『飲食・デリバリー企業向け/業績アップメルマガ』では外食・フードデリバリーコンサルタントの堀部太一さんが、支援先である年商10億円企業が前年から3%、額にして3,000万円もの人件費を改善させた方法を紹介。「2つの視点」から取った対策をレクチャーしています。
※本記事のタイトル・見出しはMAG2NEWS編集部によるものです/原題:年商10億企業で人件費率3%を前年に比べ改善できた理由

年商10億企業で人件費率3%を前年に比べ改善できた理由

2つの業態で年商10億円まで成長されたご支援先。

2つ共ランチ中心の食事業態。主が8億円・もう一つが2億円という感じです。

主要となるFLは同じ感じで、

食材 :28%
人件費:30%
FL  :58%

これが理論値。しかし人件費が上がっていく事を対処されていなかったので、人件費率が33%まで高まっていらっしゃいました。

今日はそれをどう改善したか?という話です。

■3%を額で見ると?

10億企業の3%って年間で3,000万円。そう考えるとめちゃくちゃ大きいですよね。

率で言われて自動的に額に変換できる人は良いですが、「数字が苦手で~」という方はそれが無いので、優先順位が下がりがちに。

そのため、経営サイドでは率で見つつ、マネージャーサイドでは額で管理する。

これが一番最初の共通認識でした。

■人件費の内訳は?

人件費って変動費と言われますが、実態としては大多数が固定費+変動費。こうなりがちですよね。

ちなみにこちらの企業さんの場合、

人件費:33%
社員 :10%
バイト:23%

このような構図でした。時給は右肩上がりなものをクッションできず、数字が高まっていた状況でした。

■攻めの視点で見直し

まずはコストコントール!も無駄があれば良いですが、無駄が削ぎ落とされている場合は上手くいかないケースが多いですよね。

そのため、まずは攻めの視点。つまり売上アップです。

元の数値
売上  :10,000,000円
社員  :1,000,000円(10%)
バイト :2,300,000円(23%)
→人件費:3,300,000円(33%)

目標の数値
売上  :10,800,000円
社員  :1,000,000円(9.26%)
バイト :2,300,000円(21.3%)
→人件費:3,300,000円(30.56%)

これで【人件費2.46%改善】です。

売上が108%で伸ばすために内訳は下記に設定しました。

売上108%=客数103%×単価105%

客数103%であれば既存人員で負荷なく伸ばせるという判断だったので金額を据え置いている感じです。

まず有難い事にこちらは人気店だったので、単価105%は全く問題なく受け入れられました。

昼の客単価が980円だったものが今は1,030円くらいに。約50円の値上げを達成できた感じです。

後は客数を103%以上に伸ばすのが至上命題。

  • SNSマーケを開始
  • データに基づいた月替わりメニュー開始
  • ハッピーアワーの導入
  • 夜の飲み需要確保のメニュー開発

この辺りを実施。

ただこれは前年の数字が一部コロナ影響が残っていたので問題なく越す事ができました。

売上として結果的に108%目標なのが110%で着地されました。

そうなると数字が下記になります。

売上  :11,000,000円
社員  :1,000,000円(9.09%)
バイト :2,300,000円(20.9%)
→人件費:3,300,000円(30.00%)

実は売上アップだけで人件費率3%改善!これで当初の予定がクリアでした。

ただし!

継続的に賃上げしよう!という判断にした為、ここからもっと数字を改善しようとなりました。

この記事の著者・堀部太一さんのメルマガ

初月無料で読む

print
いま読まれてます

  • 「攻め」と「守り」の対策で人件費を年間3千万円も改善。年商10億円の企業は何を見直したのか
    この記事が気に入ったら
    いいね!しよう
    MAG2 NEWSの最新情報をお届け