石丸伸二氏と古市憲寿氏の話が「かみ合わない」当然の理由。マスコミがいまだ理解せぬ石丸旋風と大地殻変動の先を読む

 

田崎史郎氏が過小評価、「石丸伸二を見誤った」理由

石丸氏に対しては、YouTubeでバズっただけだとキワモノ扱いしたがる傾向が続いていた。とくに専門家の間ではひどかった。

開票日翌日の「ひるおび」で、コメンテーターの田崎史郎氏が「石丸氏の演説は下手だ」と言っていたのもその一例だ。政治家としての力量を不当に貶めようとするのだ。

その程度の眼力だから、石丸氏の躍進を予想できるはずはない。ほかに石丸演説に関する記事を拾ってみよう。

6月29日のデイリー新潮は「注目の石丸伸二氏は街頭演説でどんな話をしているのか 選挙のプロは『支持者以外にはやや拍子抜けの印象』」という記事で、“勝たせ屋”の異名を持つ選挙コーディネーター、鈴鹿久美子氏のコメントを掲載した。以下はその一部。

実は街頭演説には身ぶり手ぶりの使い方や発声法など、長年の蓄積に基づいた“必勝法”があります。しかし石丸さんは、ご自身が独自に編み出した方法で演説されているという印象を持ちました。既存の政治家に嫌気が差している支援者には新鮮な印象を与える可能性がありますが、石丸さんが蓮舫さんを抜き、小池さんも逆転して勝利するためには、支援者に声を届けるだけでは足りません。

鈴鹿氏が指摘するように、石丸氏は大多数の政治家が使う「○○ではありませんか、皆さん」というような決まり切った言い回しはしない。余計な形容詞は一切なく、普段の言葉遣いで、理路整然と語りかける。だから、きわめてわかりやすい。

特筆すべきは、単調なようで実は表情豊かなその声のトーンだ。同じ文言を岸田首相のような声音で語っても、誰一人引きつけられはしないだろう。

ともすれば政治家は、話を抽象的な言葉や美辞麗句でごまかしがちだ。同じように声を張り上げるため、演説がどれも均質化し、個性に乏しい。だから、誰の胸にも響かない。そんな演説法を習得したところで何の役に立つというのか。

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