小沢一郎が「政敵」野田佳彦を立憲代表に推すワケ。小異を捨て自民を倒す「立憲・維新共闘」と政権交代の現実度は?

 

自民党総裁選と立憲代表選は「同時」に行わなければならない

以下は拙著「小沢一郎の死闘1500日」の一節だ。

消費税増税法案を採決する6月26日の衆院本会議。野田内閣が提出するその法案に与党議員としてどう対処するか。その決断によっては、小沢は離党を覚悟しなければならない。野田は自公の望む「小沢切り」を選択し採決の日を迎えた。

小沢氏は法案に反対し、49人の民主党国会議員とともに離党した。そんないきさつが、これまで二人を遠ざけてきた。

だが、四半世紀ぶりにめぐってきた政権交代のチャンスを生かすために、政治理念や過去の恩讐をこえて手を握る必要性を二人とも感じているのかもしれない。

野田氏のほうから声をかけたとすれば、これまで野党が結束して非自民政権をつくる必要性を唱えてきた小沢氏に、立憲として代表選、野党連携でどのような道筋を描くべきか、意見を聞く目的があると考えられる。

野田氏は9月の代表選を自民党の総裁選と同時に行うべきだと主張している。

代表選が終わってから自民の総裁選で電波ジャックをされるのも、総裁選のあとに代表選をやるのも意味がない。時期を合わせることにより、自民と立憲のトップを見比べてもらうチャンスが生まれるというわけだ。

その観点からも、自民党の総裁候補と比べて見劣りのしない候補者が立つことが大切だ。

7月14日の「ABEMA的ニュースショー」で、野田氏は「自分も含めて『昔の名前で出ています』の路線ではいけない」「自分でやろうとは全く思っていない」と言い、代表選への出馬を否定した。

しかし同時に、「政権交代のチャンスはめったにない。私の時に手放したのが悔しく、取り戻すためなら、なんでもやろうと思っている」とも言っており、多くの人々に担がれるのなら自分の出番もありと考えているフシがある。

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