党内で根強い野田待望論、日本維新の会との「共闘」も視野
実際、党内には野田待望論が根強い。
野田政権で外相をつとめた玄葉光一郎氏は6月13日夜のBS-TBSの番組で、「野田氏は胆力がある。今、一番時代に求められている」と述べ、政権交代した場合の首相として野田氏が適任だと指摘した。
野田氏は安倍元首相への追悼演説で、自民党右派を感激させ、保守層に好印象を残した。穏健な人柄で、演説はめっぽう上手い。
野田政権で副総理をつとめた岡田克也幹事長や、財務相だった安住淳国対委員長も野田氏を推している。
NHKの国会中継がある衆院予算委員会の質疑に野田氏が立ち、自民党の裏金問題を追及したところからも、野田氏の存在感をアピールする党執行部の意図がうかがえた。
維新や共産を含む「野党候補の一本化」を訴える小沢一郎氏に対し、野田氏はこれまでどちらかというと否定的な見解を示してきた。
だが、一本化ができなければ、その恩恵で反自民票を集めてきた議員は総崩れになってしまう。理想論で選挙はできない。
総選挙が近づき、政権交代もありうる情勢になって、野田氏の考えも変化してきているということだろう。
フジテレビ特別解説委員、平井文夫氏の月刊「正論」(5月号)におけるインタビューで、野田氏は日本維新の会との連携に強い意欲を示している。