小沢一郎が「政敵」野田佳彦を立憲代表に推すワケ。小異を捨て自民を倒す「立憲・維新共闘」と政権交代の現実度は?

 

立憲民主党と日本共産党の関係はどうなる?

また、共産党との共闘についても昨年11月のBS番組の生放送で次のように語った。

共産党と選挙区で戦っている所はいっぱいある。その中で全選挙区でぶつかりあって、お互い消耗しても仕方ない。すみ分けは、あったっておかしくない。お互いに消耗戦をやめようぐらいのことを野合と言うだろうか、(それは)戦術的な問題だ。

4月の衆院3補選で立憲民主党の候補は、いずれも共産党の支援を得て当選した。野田氏もそれは強く意識しているはずだ。しかし、維新と組もうと思えば、共産党を切るよう求められる

だからこそ、泉氏には期待できない豪胆な政治力が必要だと小沢氏は考え、野田氏と手を握る気になったのではないだろうか。

2009年に民主党、社民党、国民新党の連立による政権交代を実現した衆院選で、共産党は候補者の数を05年選挙の275人より大幅に減らし152人としたが、そこには選挙担当の民主党代表代行をつとめた小沢氏の調整力が見え隠れした。

大局観と熱意をもって交渉することで、実質的な野党連合体はできるというのが小沢氏の信念であろう。

腐りきった金権自民党への不信と怒りは極限に達している。それでも、政権交代が実現できないとなれば、政治に対する国民の諦念、無力感はさらに高まり、民主主義の形骸化につながっていくだろう。野党各党が小異を捨てて、大局を見据えた連携ができるかどうか。この国の政治の未来が、そこにかかっている。

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