ルッキズム問題に関して、日本は胸を張っていい
まず、何が問題なのかというと、まず、才能と意欲、体格があっても「投資に不向き」だと判断されて、スポーツエリートへの道を絶たれる若者がいる可能性です。
これは大きな問題だと思います。ちなみに、日本の場合はこの問題は軽微であり、そのことは密かに胸を張っていいと思います。
ただ、一方で、日本では「子どもの勝敗の緊張感に親がメンタル的に耐えられない」のでスポーツエリートの道を断念させる「毒親」の問題があるようで、これはこれで大きな課題だと思います。
いずれにしても、本来ならエリート選手として活躍する可能性を秘めた人材が、その道を断たれるのは問題だと思います。ですが、一番の問題はそこではありません。そうではなくて、セクシズム、ルッキズムの一番の弊害は、
「スポーツに集中する人間の躍動の美しさ」
というものが、人間の活動としての高度な達成として伝わるのが妨害されるという点です。今回の五輪では、そのような危険な領域に入りかけているスポーツがいくつか出てきたのは問題だと思います。
改めて申し上げますが、日本は巨大選手団を送りながら、この文化に毒されていないのは、誇りにしてもいいと思います。
反対に、その日本からスポーツの躍動に関して、本物の見方、評価の仕方についての発信ができれば素晴らしいと思う次第です。今回の五輪報道を見ていますと、日本の場合は、長年続いた「自国が勝ったら感動」という安っぽい言語表現では満足しない視聴者が増えてきているようで、そのことも良い兆候のように思います。









