トランプ、マスク、安倍晋三。平気でデマ情報を拡散したり歴史を改竄する人たちは「何を」守ろうとしているのか?

 

安倍氏はポツダム宣言を一度も読んだことがなかった?

あたしが中学校の「歴史」の授業で教わった昭和20(1945)年の終戦に向けての流れは、まず、日本に対して「ポツダム宣言」が発せられたのが7月26日で、日本が「ポツダム宣言」を受諾しなかったから8月6日に広島、9日に長崎に原爆を落とされた。そして、圧倒的な軍事力の差を見せつけられた日本が白旗を揚げて降伏し「ポツダム宣言」を受諾したのが8月14日で、翌15日に昭和天皇による玉音放送、そして9月2日に公式調印。これは1ミリも動かすことのできない歴史的事実だ。

それなのに安倍晋三の脳内では、「ポツダム宣言」は広島と長崎に原爆を落としてから「どうだ」とばかりに突きつけて来たものってことになってたのだ。ま、百歩ゆずって一般市民なら、こんなふうに間違った歴史認識の人がいても特に問題はない。だけど、敗戦国の政権与党の政治家が、自国の敗戦までの流れを知らなかっただなんて、シャレにもならない。

だけど、安倍晋三はこんな認識だったから、2012年12月の総選挙で政権に返り咲き、第2次安倍政権をスタートしてから、2013年8月15日の「全国戦没者追悼式」での式辞を皮切りに「反省」という言葉を排除したのだ。そして、このトンチンカンな歴史認識を問題視した日本共産党の志位和夫は、2015年5月20日の通常国会の党首討論で、安倍晋三に質問した。

志位和夫は、「ポツダム宣言」が発せられたのは何月何日、原爆投下は何月何日と何日、だから「原爆を落としてからポツダム宣言を突きつけて来た」という総理の認識は事実誤認である‥‥と、明確に間違いを指摘した。そして「日本の戦争は侵略戦争であり、誤りであったとポツダム宣言は指摘しています。総理は戦後政治の出発点となるこの宣言を認めないのですか?」と詰め寄ると、安倍晋三は耳まで赤くして次のように答えた。

「私はポツダム宣言をつまびらかに読んでないので、今ここで答えられません」

野党席から「どよめき」が起こった。まさか日本の首相が「ポツダム宣言」を読んでいなかったなんて…。そもそも「ポツダム宣言」はわずか13カ条で、レポート用紙2枚ほどの内容。中学生でも5分もあれば読めるものだ。逆に「部分的に読む」ことのほうが難しい。それなのに「つまびらかに読んでない」と言うことは、結局「一度も読んだことがない」という意味に他ならない。

志位和夫から「総理の最大の政治信条は『戦後レジームの打破』ですが、戦後政治体制の原点中の原点は『ポツダム宣言』です。それをよく読まないで『打破』を言うのは政治家として根本的な資質が疑われます」と指摘された安倍晋三は目が泳ぎ始め、意味不明なセリフを繰り返すことしかできなくなった。あたしは当時、この党首討論をネット配信で何度も繰り返して観たので、安倍晋三の狼狽した姿を良く覚えてる。

結局、「ポツダム宣言」も読まずに「戦後レジームの打破」を旗印に掲げ、自分の都合に合わせて歴史的事実を勝手に書き換え、毎年8月15日の「全国戦没者追悼式」での総理大臣の式辞から「反省」という言葉を排除した安倍晋三という歴史修正主義者の本丸は、「改憲」を踏み台にした戦前回帰だったんだろう。そうとでも考えなければ、あまりにも稚拙で無理があり過ぎる安倍晋三のトンデモ発言の数々に理由が見出せない。

安倍晋三は、誰もが知ってる歴史的事実でさえも平然と書き換えてしまうような人物だったので、保身のために森友学園に関する公文書の改竄を部下に指示することなどビフォー・ブレックファスト、朝飯前だった。これは加計学園問題も桜を見る会の問題も同様で、安倍晋三が疑惑の中心にいた問題の数々は、そのすべてが全容解明に至る前にウヤムヤにされて行った。

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