日本企業でまったく進まぬワーク・シックバランス政策。抱えている病気を「会社に相談できない」という不幸

 

突然病気を告知されても一人で悩むしかない日本社会

どんなに「自分は健康だ」と思い込んでいても、突然に深刻な病気を告知され、これまでの通りの生活は送れない状況になった時、誰にも相談できず、一人で悩むしかない社会って、至極シンプルに「おかしい」と思うわけです。

何らかの疾患を抱えながら働いていることを、会社(所属長・上司)に相談や報告「できない」あるいは「していない」人は、「正社員」でも4人に1人、25.3%、非正規雇用の場合、「派遣社員」では半数近い46.2%、「パート・アルバイト」38.1%、「契約社員」31.5%と正社員を大幅に上回ります。

ワーク・シックバランスという言葉があります。病を抱えながら働く人が、周囲の理解を促しながら仕事と病との調和をとり、病があっても自分らしい働き方を選択できることを目指す考え方です。

70歳まで働くのが当たり前になり、「75歳まで働けそう!」と思える人は確実に増えているのですから、企業にはワーク・シックバランス政策をもっと進めて欲しいです。どんな雇用形態であろうとも、どんな立場や年齢であろうとも、「実は私……」と弱音をはける空気を、できれば会社全体で、あるいは部署全体で、それも難しければ、自分の半径3メートル世界でつくってほしいです。

みなで知恵を絞って、まずは話し合ってみてください。みなさんのご意見、お聞かせください。お待ちしています。

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米国育ち、ANA国際線CA、「ニュースステーション」初代気象予報士、その後一念発起し、東大大学院に進学し博士号を取得(健康社会学者 Ph.D)という異色のキャリアを重ねたから書ける“とっておきの情報”をアナタだけにお教えします。
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