「踊る」青島刑事と「HERO」久利生検事が共演する未来。映画「ラストマイル」が切り拓いた日本のシェアード・ユニバースに記者が感じた無限の可能性

2024.08.29
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映画『ラストマイル』が最終興収50億円を狙える大ヒットとなっています。本作の特徴は、世界観や設定を共有する複数作品の登場人物が共演するシェアード・ユニバースという制作手法。その狙い通りに『アンナチュラル』や『MIU404』のファンまで魅了して、「日本でもシェアード・ユニバース・ムービーは売れる」ことを証明しました。となれば今後この手法を用いた映画やドラマが増加し、次々と“夢の共演”が実現する可能性も!? 芸能記者歴30年のベテランジャーナリスト・芋澤貞雄さんが解説します。

映画『ラストマイル』大ヒット!シェアード・ユニバースムービーの醍醐味満載

8月23日公開の『ラストマイル』が、公開から3日間で観客動員数約66万2,000人、興行収入約9億7,800万円を集め絶好調です。

このままの勢いが続けば、最終興収は50億円!前後とも。

主演を務めるのは満島ひかりですが、実は彼女、27年という映画女優のキャリアを持ちながらも、出演作品選びにへのこだわりが強いのか、関係者には“映画賞はたくさん獲るほどの演技力はあるものの、興収に結び付くのが難しい女優”と揶揄されていました。

主演作品は7本ですが、これまではそのどれもが興収成績としてはいまいちのものばかりでした。

『ラストマイル』のメガヒットは、ハリウッドの『マーベルスタジオ』が映画『アベンジャーズ』で見せたような“シェアード・ユニバース”と呼ばれる手法が要因のひとつであることは間違いないでしょう。

『アベンジャーズ』シリーズは、マーベル・コミックのスーパーヒーロー~アイアンマン、キャプテン・アメリカ、超人ハルク他~を共演させ、アメリカン・コミック・ファンたちにとっては夢のような作品で、出演者を含め製作費にも莫大な予算をかけ、なおかつそれをしっかり上回る興収を上げている作品です。

『ラストマイル』は、過去に人気が高かったテレビドラマ『アンナチュラル』と『MIU404』に新しい『ラストマイル』を融合させた作品です。

『アンナチュラル』は2018年1月期にオンエアされた石原さとみの主演ドラマで、『MIU404』は2020年6月末から始まった綾野剛星野源のバディ・ドラマ。双方とも平均視聴率は11%を超えていました。

これに2010年9月に公開された『悪人』で評価の高かった満島と岡田将生が再びコンビを組んだのを“融合”させたわけですから、公開前から高まっていたファンの熱気そのままが興収に結び付いたのでしょうね。

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綾野剛&星野源コンビが大好評、岡田将生めあての女性客も多数

今回、鑑賞後の観客に取材してみると、いちばん多かった反応は『MIU404』のバディ再演を喜ぶ声でした。

地面師たち』(Netflix)等でさらに凄みを増す綾野剛と、役者・星野源のバディ復活を心待ちにしていたという観客の多さに、はっきり言って驚いたほどです。

他には、朝の連続テレビ小説『虎に翼』で好評を得ている岡田将生を観るために、40歳代以上の女性グループの観客が多かったことも印象に残りました。

若い世代は、岡田と言えば『不適切にもほどがある!』のカリスマ美容師役を挙げる観客も多かったのですが、年齢問わず岡田将生という役者に今、スポットライトが当たっている印象も持ちました。

今年の邦画、実写部門は、山﨑賢人主演の『キングダム 大将軍の帰還』が、既に興収71億円を超え、ぶっちぎりの独走状態を続けています。

はたしてこの『ラストマイル』は、興収をどれくらいまで伸ばすのでしょうね。

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