現役探偵も激怒。文科省「いじめの重大事態ガイドライン改訂」が被害当事者と家族への朗報にはならなかった当然の理由

 

「#教師のバトン」炎上から何一つ学ばなかった文科省

今回、様々ないじめの被害当事者やその家族に話を聞いた。DMなどで意見を送ってくる方もいたが、総じて言えることは、文科省による「いじめの重大事態ガイドライン改訂」は何一つ、被害当事者にもその家族にも朗報とはならなかった。

その原因は調査不足と実態把握の力の欠如と言えよう。それも、その力の欠如は致命的だ。例えば、文科省は教員不足などの対策の一環で、当時のTwitter、現在のXなどで「#教師のバトン」をやった。教師とはすばらしい仕事だ!こんな魅力があると現役教員等に発信してもらおうとした。失敗続きで不正問題を抱える大手広告代理店が関与していたかは知らないが、文科省の思惑は大失敗に終わる。

「#教師のバトン」においては、現役教員などの問題指摘が大多数投稿される羽目になった。学校教員の働き方はサブスクのブラック企業だと実態が暴かれた。現在のところ、これは特給法のみなし残業枠を増やすという方向のようだが、それでも結果サブスク状態は変わらないわけだ。自己犠牲的投稿も多かった。将来教師になろうという人は今すぐやめろ、ここは俺が食い止める!みたいな投稿だ。

アクション映画で敵の猛攻を食い止めて死ぬ準主役が最後に吐くセリフだ。

これも事前にきちんと調査をして実態把握をしていれば、失敗しなかったわけだ。さらに現況の教員不足問題ももはや致命傷となる前に、改善を行い対策をしていけば、起きることはなかったはずだ。今だと海外との比較がされているが、あまりの待遇の低さに言葉にもならないだろう。つまり、問題になって大きな支障が出ることが火を見るより明らかになっても後手後手で結果改善しないというどうしようもない問題になっているのだ。

今回の「いじめの重大事態ガイドライン」改訂も同様だ。本来救われるはずの被害当事者やその家族がおざなりになり、何一つ朗報はない。SNS上では「ふざけるな!」という声があふれかえっている。これはもはや「#教師のバトン」の大失敗の二の舞となろう。

「自殺しろと言っているようにしか感じない」。追い詰められる重大事態いじめの被害者

「いじめの重大事態ガイドライン」はいじめ被害者が最後の拠り所とする、最後の砦とも言えるものでした。

現在当事者の話しも聞かない、意見公募をしても無視、読めば読むほど期待ができない改訂は、もはや悪改訂と言わざるを得ません。声にならない声でいじめ被害から助けて欲しいと叫ぶこどもたちから、砦を奪う気持ちというのはどんなものなのでしょう。

文部科学省初等中等教育局児童生徒課が所管だと聞きますが、児童生徒課の皆さん、責任者となり得る課長さん、初等中等教育の局長さん、弱々しく助けを求めるこどもたちから、希望を奪う結果となりましたが、どんなふうに感じていますか?と面と向かって問いたいです。いや、いずれ会うこととなると思いますので、面と向かって問いますが、そのときには嘘をつかず答えてもらいたいと思います。

高校2年生の重大事態いじめの被害者が改訂されたガイドラインについて私に質問をし、自分でもよく調べてきて、私の真横でこうつぶやきました。

「ねえ、阿部さん、日本では嘘つきでないと出世しないの?弱くなったら声も上げてはいけないの?」
「読めば読むほど、自殺しなさいと言っているようにしか感じないんだけど」
「こども家庭庁は期待できるかな、文科省にはもう期待もできないし」

私の力不足、申し訳ないと答えるしかありませんでした。

少なからず被害当事者のこどもの希望を奪っている現実を担当局にも組織全体も知ってもらえればと思います。

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