中国の無法やスパイ行為を伝えない日本メディアの不思議
こうした物理的な空間の侵略に加えて、サイバー空間での中国による侵略もますますひどくなってきています。
ウォール・ストリート・ジャーナルは10月14日、最近の複数のハッカー攻撃により、中国のスパイ活動の深刻さが浮き彫りになったと報じました。FBIは先月、中国政府と関連のある組織が、ルーターやカメラを含む世界中の26万台のネットワーク機器をハッキングしたと報告。被害に遭った国には、米国、英国、フランス、ルーマニアなどが含まれています。
米国議会による調査では、中国製のコンテナクレーンに組み込まれた技術により、中国がこれらの吊り上げ装置を遠隔操作できる可能性があることが明らかになりました。さらに、ニューヨーク州知事キャシー・ホーチュル氏の元補佐官も、中国にスパイ行為を行っていた容疑で起訴されています。
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報道によると、中国のハッカー活動はさらに拡大しており、米国政府のネットワーク監視システムに侵入し、そのハッキング能力の広範さを明らかにしているそうです。欧米の諜報機関は、中国と関わるリスクが徐々に高まっていると企業や個人に警告していますが、今のところ中国のスパイ活動を効果的に阻止できていません。
中国の諜報活動の規模は、冷戦時代のソビエトのスパイ網をはるかに上回り、推定60万人が関与しているとされています。欧米諸国では、中国が国家の安全保障機関だけでなく、民間企業や一般市民も動員して、前例のない規模のスパイ活動を展開していると警告しているのです。
最近では、APT31と呼ばれる中国のハッカー集団が米国の政府関係者、ジャーナリスト、企業、民主活動家を標的としたサイバー攻撃を仕掛けていたことが明らかになりました。英国当局も、このグループが数百万人の英国有権者のデータを盗んだことを明らかにしています。
こうした状況を受け、米国司法省は中国在住とみられるハッカー7人を相手取り、サイバー侵入を行ったとして訴訟を起こしました。英国も関係者のうち2人に対して制裁を科しています。
欧米や台湾のメディアはさかんにこうした中国による侵略行為やスパイ行為を伝えますが、日本のメディアも政治家も、きちんと伝えることがほとんどありません。これだけ世界で中国によるスパイ活動が報告されているにもかかわらず、日本でスパイ防止法を作ろうと提案する政治家もまずいません。それはなぜなのでしょうか?
危機感のなさと世界情勢への対応の遅れが日本の最大のリスクであり、いまだ憲法改正すらできないことが、日本経済が30年も停滞していたことの一因でもあるのだと思わざるをえません。
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