石破政権を「今は生かしておいてやる」で一致。玉木雄一郎の戦略、高市・萩生田の意地、野田佳彦の都合が激突する令和政界大再編

 

それでも石破首相が国会情勢に楽観的な理由

維新も国民も、これまで自民との連携を模索してきたが、裏金問題などで自民の信用が地に堕ちたのを機に、距離を置きはじめた。

選挙期間中もさんざん自民を批判してきただけに、いまさら手のひらを返すようなことはできない。冷淡な態度を示さざるを得ないのが実情だ。

それでも、石破首相と森山幹事長が国会情勢に楽観的なのは、野党がバラバラであるからだ。

維新が憲法審査会の論議をめぐる対立などで立憲を厳しく批判してきたことは周知の通りだし、国民民主には憲法や安全保障などで意見が異なる立憲との連携に抵抗感がある。

では、肝心の立憲民主党はどう動くのか。首相指名選挙で野田代表の名を書いてほしいと各野党に要請するというが、国民の玉木代表はテレビの開票番組で、「野田」と書くかと問われて、それをきっぱり否定している。

首相指名選挙の1回目の投票で、自公両党は石破氏としても、野党が自分の党の代表に投票するなら、誰も過半数に届かず、決選投票にもつれこむ可能性がある。その場合、石破vs野田の構図になるわけだが、国民民主党は、決選投票でも玉木代表に投票する方針を決めている。

つまるところ、各野党の票を結集して野田政権を樹立する可能性はほとんどないといっていい。

かつて小沢一郎氏が 非自民・非共産の8党派を説得して細川連立政権をつくったように、剛腕政治家がいるなら話は別だが、野田代表にしても、小川淳也幹事長にしてもそれだけの力量はない。

今の小沢一郎氏は、野田代表をトップとする衆院選総合選挙対策本部の本部長代行というポストを与えられてはいたが、野田代表へのアドバイスていどの役割だし、動くにも限度があるだろう。

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