103万の壁は序章。玉木氏と石丸氏は「飲みニケーション政治の壁」を破壊できるか?馴れ合わぬ2人が日本に放つ正論パンチ

 

日本経済を停滞させる「ゾンビ税制」を変えるのに必要なこと

現在、年収103万円以下の勤労者は、その所得に課税されない。課税対象となる所得から、基礎控除48万円、給与所得控除55万円の計103万円を引くと、ゼロあるいはマイナスとなるためだ。

これらの控除を178万円まで拡大し、その金額まで勤務しても税金をかからなくする。控除が拡大された分、全ての人の手取りが増えるので、消費が活発化し、企業業績がアップ、結果として税収増につながるという政策だ。

「バイトやっている学生によく言われるんです。103万円以上になると課税されるので、働きたくても働けない。忙しい年末に人手不足になり店長が困っている」と玉木氏は言う。「103万円の壁」は、この28年間据え置かれたままだ。司会者を含めた3人から「ゾンビ制度」という言葉が飛び出した。

2時間近くにもわたる会談を、ネット動画番組が余すところなく伝え続ける。もちろん編集らしきものは一切ない。これは絶対に既存メディアではできないことだ。長時間、それに付き合う視聴者は大変だが、話している人の考えや人物像を的確につかもうと思えば、これにまさるメディアはない。

新聞は記事のストーリーに合わせて、発言のうち都合のいい部分を使うだけだし、テレビは厳しい時間の制約に従って一部の場面や言葉を切り取るだけだ。これでは不正確な情報を拡散させるだけである。

石丸氏は言った。「玉木さんは質問に対してはぐらかすことがなかった。この点だけでも信じられる政治家かなと思いました」

衆院選の期間中、玉木代表は「103万円の壁」撤廃、ガソリン代負担軽減などで「みんなの手取りを増やす」と、石丸氏の言う“ワンイシュー”に近い選挙戦を繰り広げ、若者を中心に支持を拡大した。

そのなかで、しばしば使われたのが対談中に出た「ゾンビ税制」という言葉だった。「学生やパートさんが、働きたいのに働けない古いゾンビ税制を変えたい」。

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