103万の壁は序章。玉木氏と石丸氏は「飲みニケーション政治の壁」を破壊できるか?馴れ合わぬ2人が日本に放つ正論パンチ

 

衆院選「最大の勝者」国民民主党はこのチャンスを活かせるか

10月26日夕。東京駅丸の内口前広場。都知事選で石丸氏が選挙戦最終日の訴えをしたのと同じ場所に、国民民主党の選挙カーがとまり、広場を聴衆が埋めつくしていた。

そこに玉木代表の姿はなく、なんと石丸氏がマイクを握っていた。

「東京都民!石丸伸二です。完全無所属、不偏不党。飲み会に行こうとして東京駅通ったらなんか人だかりができている。選挙カーが止まってて、あれっ?デジャブ。ついこの前、ここでやったな。もしかしてパクられてます?・・・皆さんに作戦を伝えます。多くの方は電車やバスで帰られる。その際、大きめの声で明日選挙だねと、30分から1時間、話し続けてください。その声が多くの勝者を生みます。皆さんの力でこの国を動かして見せてください!」

東京都知事選と全く同じ調子で聴衆に呼びかける。国民民主党の応援ではない。偶然通りかかったら、スタッフから声をかけられて、選挙カーに乗った。石丸氏はむろんそう言うだろう。既成政党に与しないのがポリシーだったはずだから。だが、誰が見ても、国民民主党にエールを送る行動であるには違いない。

このあと、東京駅に着いた玉木氏は石丸氏と入れ替わるように選挙カーに立った。当然、石丸氏が来るとは知らなかった素振りを見せた。

「さっき列車を降りたら石丸さんが話していたので、間違えて来たなと、帰ろうと思ったんですよ。選挙にもっと関心をもってもらいたいと石丸さんが言ってくれてありがたい」

今回の総選挙における最大の勝者は、国民民主党だといわれる。4倍に増えて28人になった衆院の勢力が、国会の意思決定におけるキャスティングボートを握るからだ。

少数与党となった自公政権は、野党と対立する法案を衆院通過させようとする場合、比較的政策の近い国民民主党に協力を求め、与党案に賛成してもらおうとするだろう。だが、国民民主党は政策ごとの与野党連携を打ち出している。つまり、政策が合えば与党、野党にかかわらず協力し合う姿勢だ。連立与党入りは急増しつつある支持者の失望を招くだけだ。

かつて自民党の甘言に乗り、自社さ連立政権入りをした社会党が急速に党勢を失っていったことが思い出される。それよりも、キャスティングボートを握っている国会の状況を生かし、野党のまま自らの独自政策を与党側にのませるほうが、政策実現の可能性が高い

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