結果次第では“日本政治の漂流”が長引く事態に。来年7月の参院選が「歴史的な意味」を持つ最大の理由

 

抵抗勢力により法務委員会に埋め込まれた「地雷」

しかしそこには抵抗勢力による「地雷」がすでに埋め込まれている。衆議院の法務委員会は、委員長を除いて委員は34人だ。じつは自民党はひとりの委員を日本保守党に譲った。これは思想的に違和感がない。

ところが、れいわが参政党に委員を譲っている。いかなる理由かは不明だが、選択的夫婦別姓に反対の方針を取る参政党が委員である以上、法案審議と採択において、じつに微妙な役割を果たすだろう。

御厨貴さんが喝破したように、臨時国会から通常国会に向けて、状況によってはいつでも内閣不信任案が可決される緊張感ある国会運営が行われていく。メディアや政界では25年7月参院選に合わせて衆院選も行われるとの観測もなされている。

だがそうはならないだろう。与党からすれば一気に政権交代の可能性が高まるからだ。裏金議員は今後の国会で政治倫理審査会への出席が問われるし、検察審査会の動きもある。

同時選挙になれば、確実に投票率が上がるため、一般的には野党に有利となる。したがって与党は参議院選挙の「1人区」で勝つために注力するだろう。野党が一騎打ちの構図を作れなければ全敗することさえありうる。そうなれば衆議院と参議院の勢力図は大きく変わらず、日本政治の漂流が長引くことになる。

国民のための政策実現を基本としながら、安定した政権を築くためにも、8か月後に必ず行われる参議院選挙は、文字通り歴史的な意味を持っているのだ。

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ジャーナリスト、テレビコメンテーター。立憲民主党所属の元参議院議員(2期)。出版社に勤務後、フリージャーナリストとして「朝日ジャーナル」「週刊文春」など霊感商法批判、統一教会報道の記事を手掛ける。1995年から2007年まで、日本テレビ「ザ・ワイド」に12年間レギュラー出演。2010年には民主党から立候補、参議院議員となり、北朝鮮拉致問題、差別、ヘイトスピーチ問題などに取り組む。「北朝鮮 拉致問題 極秘文書から見える真実」(集英社新書)、「改訂新版 統一教会とは何か」(大月書店)など、著書多数。

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