抵抗勢力により法務委員会に埋め込まれた「地雷」
しかしそこには抵抗勢力による「地雷」がすでに埋め込まれている。衆議院の法務委員会は、委員長を除いて委員は34人だ。じつは自民党はひとりの委員を日本保守党に譲った。これは思想的に違和感がない。
ところが、れいわが参政党に委員を譲っている。いかなる理由かは不明だが、選択的夫婦別姓に反対の方針を取る参政党が委員である以上、法案審議と採択において、じつに微妙な役割を果たすだろう。
御厨貴さんが喝破したように、臨時国会から通常国会に向けて、状況によってはいつでも内閣不信任案が可決される緊張感ある国会運営が行われていく。メディアや政界では25年7月参院選に合わせて衆院選も行われるとの観測もなされている。
だがそうはならないだろう。与党からすれば一気に政権交代の可能性が高まるからだ。裏金議員は今後の国会で政治倫理審査会への出席が問われるし、検察審査会の動きもある。
同時選挙になれば、確実に投票率が上がるため、一般的には野党に有利となる。したがって与党は参議院選挙の「1人区」で勝つために注力するだろう。野党が一騎打ちの構図を作れなければ全敗することさえありうる。そうなれば衆議院と参議院の勢力図は大きく変わらず、日本政治の漂流が長引くことになる。
国民のための政策実現を基本としながら、安定した政権を築くためにも、8か月後に必ず行われる参議院選挙は、文字通り歴史的な意味を持っているのだ。
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