許していいわけがない、立花孝志の非常識な行動
この選挙には「N党」の立花孝志が「当選を目的としない」と公言して立候補し、自身のポスター掲示枠には斎藤を支援する内容のポスターを貼り、斎藤の応援のため他の候補への妨害工作などを執拗に行った。
そもそもそんな立候補など常識的におかしく、許されるはずがない。
確かに公職選挙法には、どこを読んでも「当選を目的としない立候補は禁じる」といった条文はない。一定の票を獲得できなければ供託金を没収するということが定められている程度で、だからこそ今までも、注目される選挙にはどう見ても当選するはずのない「泡沫候補」が多数出馬し、選挙を自己PRの場に使ったりしてきた。
だが立花はその法律の不備をさらに悪用し、先の都知事選では一人しか当選しないところに24人も立候補させて、ポスター掲示板をジャックして選挙とは関係のない同じポスターをずらっと並べて貼り、そのポスター掲示枠を事実上「販売」して利益を得ようとまでしたし、今回は斎藤を応援し、対立候補を妨害するために立候補したのである。
法律には「ポスター枠販売のための立候補」や「他の候補を応援するための立候補」を禁じる条文はない。そんなことをやる非常識な人間が出てくるとは、誰も想定していなかったからだ。
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こんな人間が出た以上は、ただちに法改正をしなければならないのは仕方がないことだが、世の中には「不文の法」というものがある。条文で禁止されていなければ何をやってもいいとする立花のような人間が当たり前になったら、「不文の法」は崩壊し、どんな些細なことでも明文化して縛りをかけないと秩序が破壊されてしまうということになり、とんでもなく窮屈な社会になってしまう。
このような無法者は、もっと強く批判しなければいけない。しかも選挙には税金が使われているのだから、これを悪用するような行為を許しておいていいわけがない。新聞・テレビ等はもっと大問題として取り上げなければならないし、それこそが使命のはずなのに、何を恐れているのか、これに対しても妙に及び腰なのだ。