インフルエンサーとして稼ぐために必要な能力
稼ぎの大きな人気ユーチューバーが目立つあまり、動画を制作して配信するだけで簡単に稼げると思われてしまうのかもしれませんが、ユーチューブのトラフィックを収益化するプラットフォームのGoogle AdSenseによると、ユーチューバーで月5,000ドル(約79万円)以上稼ぐ人は全体の0.3%にすぎません。チャンネル登録者数1,000人程度のユーチューバーは、AdSenseから毎月30~300ドル(約4,700~4万7,000円)程度の収益を得ていますが、登録者数が1,000人以上のチャンネルは全体のわずか9%程度です。
大学でインフルエンサーのコースを新設し、そのノウハウやインフルエンサーエコノミーについて教えることの是非については賛否両論さまざまな議論があるかと思いますが、新たに出現した巨大な市場や経済モデルについて正しい理解を広めようという試みは、時流を理解する上でも将来に備える上でも決して悪いことではないと思います。
ただ、いくら大学でインフルエンサーになるための勉強をしたからといって、もちろん誰でもがMrBeastや、米大統領選にも影響を与えたジョー・ローガン並みに稼げるインフルエンサーになれるわけではありません。しかしそれでも、ブランディングやマーケティングの観点から、そのようなスキルを持つ人に対する企業のニーズは高止まりしているので、就職には有利に作用するかもしれません。
インフルエンサーとして稼ぐためには、継続して魅力的なコンテンツを制作・発信できる力が最も重要ですが、それ以外にも、契約交渉のスキル、知的財産権への理解、持続可能なビジネスモデルを構築するスキルなど、多方面にわたる能力が求められます。単に知名度を上げ人気を得るためには迷惑行為も辞さないというようなスタンスでは、結局長続きせず、長期にわたって影響力を保ち続ける上では、高い倫理意識やコンプライアンス意識、リスク管理能力も求められます。
インフルエンサーは、大学にとっても新たな研究・教育の対象であると同時に、学生にとっても、十分に学ぶ価値のある現実的な分野だと思います。
※本記事は有料メルマガ『『グーグル日本法人元社長 辻野晃一郎のアタマの中』~時代の本質を知る力を身につけよう~ 』2024年12月27日号の一部抜粋です。興味をお持ちの方はぜひこの機会にご登録ください。
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