近年、先進国の中で国民の幸福度が低いと言われる日本。仕事を選びさえしなければ仕事が溢れている我が国において、仕事と生活のバランスをどう取ればいいのか悩んでいる方も多いのではないでしょうか。メルマガ『【HSPの教科書】HSPアドバイザーが教えるHSPの生き方・働き方&質問回答集』では、そんなワークライフバランスの取り方に関する考え方のコツを伝授しています。
※本記事のタイトルはMAG2NEWS編集部によるものです/原題:仕事で悩まない、消耗しないための六ヵ条「生活の余力を残すために必要なこと」
この記事の著者・HSPアドバイザー・Ryotaさんのメルマガ
仕事に関わる、仕事外の時間を徹底的に短くする
今回はワークライフバランスに関わるお話。というのも…幸福度の高い国って、仕事を求める人が多め。限りある仕事の中で、自分の時間をたくさん持っていることが多いのです。その一方、日本は仕事そのものは溢れています。選ばなければ働けるでしょう。
しかし、幸福度は低い傾向にあります。仕事の「丁度いいバランス」が失われている…そんな面を見かけるのですね。そこで、仕事と生活のバランスをどう取ればいいのか。会社員はもちろん、個人事業主にも役立つこと。お話していきますね。
実は仕事そのものの時間ってそれほど長くありません。残業がなければ、フルタイムで8時間程度。8時に出社なら、16時に終了。時間がたくさんあるように思えますよね。問題は仕事に関わる時間が長いことです。結局、純労働時間だけで換算できなくなるんですよ。
具体的には以下の時間です。
- 通勤
- 身だしなみを整える
- 出社前の多少緊張するような時間
- 帰宅後のホッとするような時間
- 昼休憩
- 早めに会社に着いた後の時間
大体の人は「通勤」と「身だしなみ時間」を考えます。実際は細かく、色んな時間を奪われているんですよ。私の場合、工場勤務時代…勤務時間の20分前行動となっていました。タイムカードが30分刻みだったため、29分間がサービス早出みたいになっていたんですよね。
このように収入に関係のない時間で生活時間が奪われます。これらの時間をできるだけ短縮するように考えましょう。
通勤の場合、渋滞などの「読めない時間」も問題です。遅刻が厳禁なため、遅刻しないよう余裕を持った時間で行動するでしょう。ということは、渋滞がゼロ。天候にも左右されにくい通勤方法が良いと言えます。ある程度会社の近くに住み、徒歩または自転車。これなら大雪や台風じゃない限りは通勤は安定します。
そして身だしなみ。それこそ「服に悩む」「化粧に悩む」「髪型に悩む」というのは時間を取られます。迷うほど時間を取られるものはありませんからね。服装も一定のルーティーンにする。化粧も時間を決めて、その中で行う。髪型も「ぼさぼさしづらい長さ」などがラクでしょう。
また、帰宅後の時間については…家と会社の間に買い物等に寄れば解決します。これで脳が「仕事と違うモード」になりますから。コロナ過の在宅ワークでは「在宅は人の目を気にしない」のような話が主流でした。しかしながら、通勤がない。家でホッとしていて…そのまま仕事。というようなメリットもあったのですね。
といっても難しい点もあると思います。
まずは身だしなみ関係。そして仕事前の動揺するような時間。ここを減らす方針を持ちましょう。仕事前の独特な緊張については「出社だけを目的とする」によって、落ち着きやすくなります(※日によって動揺しちゃうのは仕方ないです。嫌な仕事がある日とか)。
朝の番組ではなく、笑えるような番組を観るのもおすすめ。昼や夜に出社の人は、その前に観るような番組以外ですね。映画とか。何となく朝の「定番行動」を作り緊張感を高めてしまうのです。そういう時間を変えること。お試しください。
項目のまとめ
・労働時間より、労働するための時間。動揺する時間で時間を奪われてしまう
・可能な限り自分の時間は自分のために使おう
・迷いが時間を奪ってしまう。迷わないよう、仕事に関わるものの選び方などを決めておこう
仕事内容を引きずらない関わり方をする
仕事には余韻があります。日本の武技には「残心」という言葉があるのをご存じでしょうか。これは心が途切れないということ。敵を攻撃した後も備えるような構え、考えです。この残心のようなことを仕事でも作ってしまうのです。わかりやすいのは「オンとオフの切り替え」でしょう。仕事では交感神経優位。どちらかと言えば緊張する状態となります。家に帰って即座に副交感神経優位。リラックスにはなりません。少しずつグラデーションのように変化していきます。
しかし、このリラックスに向かうのも人によって時間がまちまちです。30分程度でホッとできる人もいれば、1時間以上も引きずるケースがあります。また、ミスをしたり失敗した日。何かを任された日は興奮するもの。仕事内容を引きずってしまうでしょう。これでは仕事をしていないのに「頭が仕事モード」となります。仕事内容を引きずらないよう仕事と関わることは、まさに必須なことと言えるでしょう。
基本的にはセロトニン活動を続けることとなります。セロトニンがオンとオフの切り替えにつながる神経伝達物質になりますので。
・リズム運動
・呼吸を意識(話す、歌うなどでも大丈夫)
・日光を浴びる
こういう生活をすると共に、帰宅後は仕事道具から遠ざかることが必要です。いつまでも仕事着のままでいるのも避けましょう。
また、仕事内容を考えてしまうことを逆手に取る方法もあります。仕事モードだと…どちらかと言えば効率的。作業的な考えを持ちやすいのです。ここで家事を行いましょう。帰って面倒な家事を先に終わらせてしまうのです。
・軽く掃除
・お風呂を入れる
・返信作業
何だかんだで自宅にいますから、少しずつ緊張が解けていく+家事が終わるメリットがあります。
仕事後にストレス解消を取り入れる方法もあります。例えば…大変ですが、仕事後にスポーツジムに通う人がいるのです(私服や運動着を既にまとめて車に乗せておく)。運動により脳内バランスが保たれます。嫌なことも発散して解消しやすくなります。ついでにシャワーを浴びたりなど。気分転換も可能ですよね。毎日ではなく、水曜や木曜など。週の半ばで疲れてきた時ほど、仕事ばかりの考えを遠ざけることができるでしょう。
週の間に「普段はしない行動」を入れるのもおすすめです。私であれば、バーに通ったり、夜カフェに行くことがありました。その日が休日のような感覚になるんですよ。どちらかと言えば「仕事で疲れたから休みたい」となる人が大半です。実は出かけるからこそ、脳の疲れを取ることができるのですね。もちろん仕事内容での疲れによる部分もありますが…試す価値はあるでしょう。
項目のまとめ
・仕事後は「頭が仕事モード」になっている。この状態を元に戻すことが必要
・日々の生活習慣を整えること。セロトニン活動を取り入れよう
・週の半ばに家と仕事以外の活動を持とう。仕事ばかりの日々という印象が和らぐ
役割、立場をはっきりさせる
組織で働く場合、労働力を奪われることは増えます。これ、大事なことなので覚えておきましょう。というのも…会社は労働者から労働力を効率よく奪おうと考えます。その方がお得だからです。上場企業レベルだと、労働者に還元して働きやすい環境を作る場所もあります。本来はこの方が「労働者も自主的に会社へ還元する」ので、お互いに良い関係になるんですよ。無理に縛り付けるより、本人の意思で努力してもらう方がいいじゃないですか。しかし多くの中小企業は違います。還元する余力がないのです。そこで、仕組み的に労働力を奪おうとします。
・言葉巧みである
・1分1秒でも、サービス的に働いてもらおうとする
・交代制で「1時間働いて昼休憩、そして7時間勤務」のような状況を良しとする
言葉巧みとは、ボーナスを多めに出す!みたいな一言ですね。こういう言葉は約束とは違います。実際は難しいことが大半でしょう。
そこで皆さんも、会社とあなたの役割や立場を明確にしましょう。確かに雇われている以上、仕事として必要なことは行います。それはそれとして、理不尽に働く必要はありません。30分前勤務を暗黙の了解とする会社であれば、あなたの貴重な時間が奪われます。1日30分の年間250日勤務なら…年間で7500分。125時間が奪われます。30年勤めるとして、3750時間。156日がサービス早出となりますね。しかもこの156日は24時間働き詰め。1日8時間勤務を想定すれば、人生で468日会社へ給与ゼロで捧げたこととなります。こういう時間を許すと余力が残らないことがわかるでしょう。
といっても、働く以上は…多少は仕方ない点もあります。どこの会社も多少はありますので。無茶難題があれば断る。または、そういう場所からは去る。これも検討する価値があるということですね。労働力を提供して対価を得ているのです。本来、1分でも働けば給与が発生します。
これがあなたと会社の立場。役割は役職を想像するとわかりやすいでしょう。平社員が課長クラスの責任は負えません。あなたがひとりが「会社の責任を負う」ような考えは、過剰と言えるのです。
このように、あなたが会社でどういう立ち位置なのか。契約はどういうものなのかを冷静に判断しましょう。会社があなたを過酷に使うのなら、こちらも過酷に使う場所から離れていいのです。こういう気持ちを持たないと、ついつい「会社に働かせてもらっているから」と考えてしまいます。働くとは、誰かが作った仕組みを利用すること。同時に会社も「働いてもらっている」のです。この対等な立場も覚えておきましょう。
項目のまとめ
・つい会社の言いなりになって、余分に働いてしまうことがある
・1日30分のサービス早出やサービス残業も、30年で156日分となる(しかも24時間働き続けるとして)
・人としては対等。あなたの人生そのものを会社に捧げるものではない
数字だけに価値を置かない
皆さんも何かと数字に振り回されていませんか?というのも、数字はわかりやすく判断できますよね。幼少期からなじみのあるものにもなります。ついつい、
・もっと数字を上げよう
・数字が上がれば素晴らしい
・下がるとダメ
みたいに考えてしまいます。これ、仕事でも一緒なんですよ。売上を常に上げないといけない。できるだけ残業をして、収入を増やさないといけない。このように考えます。
今お話したように「下がるとダメ」と思いやすいのもポイント。本来は、常に最高の結果を達成し続けることはできません。上場企業だって平気で赤字になりますからね。それなのに、私たちは「去年よりも年収を上げなきゃ」とか。残業だって「今月はきつかったけど60時間やった…。これを続けなきゃ」のように思います。残業代は+アルファです。ボーナス同様無くなる可能性があります。しかし、残業代で月給が5万円上がれば、その5万円上がった収入が「最低限の収入」と考えてしまうのです。これが数字での価値です。
では、仕事の価値は数字だけなのでしょうか。
・人間関係が円滑
・お金をもらいつつーーー。(『【HSPの教科書】HSPアドバイザーが教えるHSPの生き方・働き方&質問回答集』2025年1月7日号より一部抜粋。続きはご登録の上お楽しみください。初月無料です)
この記事の著者・HSPアドバイザー・Ryotaさんのメルマガ
image by:Benny Marty/Shutterstock.com