★体そのものの解決策:呼吸法を活用する
スピーチ前に「4秒で吸って、4秒で吐く」深呼吸を何度も繰り返しましょう。
ゆったり呼吸すると心拍数が落ち着き、緊張が和らぎやすくなります。
これは、体がリラックスしている状態をあえて作り出し、脳の過剰な興奮を抑えようとする方法。
心を変えようとしても難しいのであれば、体を変えてみる、ということですね。
★スピーチそのものへの視点を変えてみる
「大勢に向けて話している」という意識を捨て去り、目の前の1人だけに話しかけるようにする。
これで緊張が緩和されることもあります。
一応書いてみましたが、人によっては難しい方法ですね。
というのも、実際に目の前にある状況を否定しきる方法だからです。
ただ、一人に向けて話すというのは実は大変価値ある手法です。
ですので、できそうなら、チャレンジしてみてください。
事前練習の際に、そのように信じ込み、本番でも練習のときの様子を再現する気持ちになればやりやすいかもしれません。
いわば俳優的なアプローチですので、人によっては向きません。
というのも、スピーチは聞き手との双方向コミュニケーションであるため、目の前に実際にいる人たちに自然と反応してしまうのが普通だからです。
★さらに逆の発想:緊張を活かす
緊張していることを隠さないという方法があります。
「緊張して声が震える」の対応策としては、実はこれが一番おすすめ。
「緊張している」という感情を正直に聞き手に言ってしまいましょう。
まずは言葉で言ってしまうことにより、自分で緊張を受け入れたことになります。
すると、脳が安心するんですね。
不安な状況が急に消えていく。
そして、聞き手にとっては、むしろ緊張していることに人間味が感じられて好印象を与えることがあります。
例えば、冒頭で「少し緊張していますが、それはこのテーマが私にとって大切だからです」などと言うことで、スピーチがより誠実に聞こえます。
人によっては、そんな恥ずかしいことは言えない、という方もあるかもしれませんし、また立場上、いかがなものか? と気になるかもしれません。
だからこそ、それらを投げ打って、「緊張しています」と伝えることは自分も一人の人間なんだ、と宣言するに似ています。
こうすると、その後、スピーチが一気にやりやすくなる。
なぜかというと、緊張している、と本心をさらけ出すことで話し手と聞き手とが「人と人」で繋がれるからです。
緊張して、いいんですよ。
緊張して当たり前なんですから。
もちろん、事前準備はしっかりと行なってくださいね。
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