探偵の仕事のひとつに「対象人物の勤務先を判明させてほしい」というものがあるそうです。果たして、どういった時にそのような依頼がくるのでしょうか? 今回のメルマガ『探偵の視点』では現役探偵の後藤啓佑さんが、その経緯について事例を用いて詳しく明かしています。
勤務先を判明させろ!
「対象人物の勤務先を判明させてほしい」
これはよく弁護士さんから依頼される調査事項です。
勤務先が判明すると何がいいのか?
勤務先がわかると‘’給料の出どころがわかる‘’のです。
給料の出どころを把握すれば、差し押さえが可能になる。
つまり、弁護士さんとしては対象人物の給料を押さえたい。けれども勤務先がわからないから、差し押さえ先が無い。そんな状態になった時に、僕のところに依頼がきます。
簡単にお伝えすると、AさんとBさんで金銭の貸し借りで揉めるとします。(これも金銭貸借のみではなく、様々なケースがあります。)
AさんはBさんを訴えて、裁判で勝つとします。
しかし、Bさんはお金が無いと言い、連絡も取りづらくなります。そこで、Aさんの弁護士さんがBさんの財産の差し押さえをする提案をします。けれども、Bさんの勤務先がわからないので、差し押さえ先がない……
※差し押さえなどの言葉の使い方などは、そこまで気にせず読んでください!
こんな状況で、弁護士さんが僕のことを知っていると「Bさんの勤務先を判明させてほしい」という依頼になるのです。
探偵からすると、いわゆる普通のサラリーマンの方であれば、非常に簡単に判明させることが可能。難しいのは、儲かっていない個人事業主など。どこからどこまでが労働かわからないケースが一番難しいです。
夜のお店や経営者も比較的簡単に判明は可能です。しかし、その場合に「回収できるかどうか」は別問題ですけどね……
そこからは弁護士さんの腕の見せ所かもしれません。
こんな具合に、勤務先判明調査は探偵が頻繁に行っている調査のひとつ。
ドラマの題材になることはほぼ無いのでイメージは無いかもしれませんが、立派な飯のタネです。
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