脱毛サロン大手の「ミュゼプラチナム」が、3月22日から全店舗で一時休業することを発表した。ミュゼは近年内紛状態にあり従業員への給与支払いすら滞っているが、「給与未払いの原因は、旧経営陣の妨害によるもの」という新経営陣の説明は虚偽である可能性が高そうだ。ミュゼをめぐる一連の疑惑を昨年6月から十数回にわたって報じてきた、ジャーナリストの山岡俊介氏が主宰する『アクセスジャーナル・メルマガ版』が詳しく解説する。
※本記事のタイトル・見出しはMAG2NEWS編集部によるものです/原題:内紛の「ミュゼプラチナム」、社員への給与はいつ支払われるのか!?
ミュゼ給与遅配問題、大島会長サイドの説明は虚偽か
一時、大手脱毛サロン「ミュゼプラチナム」の経営権を持っていた「船井電機」、それにミュゼ並びに現在ミュゼを経営する「MPH」(東京都港区)などにつき、これまで独自情報を適示報じてきたことから、ミュゼの現場社員から本紙に、給与遅配に関する問い合わせがたびたびくる。
つい先日も、「未だ給料が払われず奴隷労働させられています。大島会長は給与遅配の説明会ZOOMでは、前取締役からの妨害によって資金調達がなかなかできずと言っていますが、それが本当なのか確かめていただきたいです。生活困窮しているスタッフのためにもお願いします」とのメールがきた。
そこで、本紙なりに独自ルートで調べてみたので、その結果をここに報告する。
まさに、前述のメールでも記されているように、ミュゼを経営するMPHは現在、「阿部博」なる者を社長にしたとする大島正人ミュゼ会長側と、その大島会長側が解任したとする三原孔明社長ら前経営陣側との内紛状態にある。
そして、大島会長が社員向けに、給与が払えないのは前取締役からの妨害があるからと言っているのは紛れない事実だ。
だが結論を言うと、大島会長のこの説明は虚偽だ。
3月25日以降の給与支払いはメド立たず
大島会長が、この間、資金の面倒を見てきた高橋英樹氏がオーナーの「グローバルブリッジファンド合同会社」(GBF)に見切りをつけ、債権者と共闘し、GBF、三原社長らを排除し、現場の人事権、運営権を掌握したのは2月8日のことだ。
大島氏は、新社長にしたという阿部博氏の裏側にいるファンド経営者が資金力があると見て頼ったようだ。だが、本紙の調べによれば、このファンド経営者も詐欺師のようで資金力はない。
したがって、大島会長側は“乗っ取り”後、当初、給与は3月10日に予定していたが、それが遅くとも3月19日までに延期された。それは、三原社長らの妨害ではなく、頼った先の当てが外れたからだろう。
したがって、現状の内紛状態のままでは3月19日までの給与支払いも難しいと思わざるを得ない。
「昨年11月、12月と給与遅配があったものの、こちらは両月共、遅れたものの支払われています。しかし、今年に入り1月25日の給与が未だ3割分遅延に。そして、2月25日分の給与は全額遅延。3月25日以降の給与払いは目処が立っていないのが現状です」(社内事情通)