相互関税を言い訳に 消費税を下げたがる私を許して…自民党内で消費税減税の動き、財務省の反応は?参院選前の「トランプ外圧」奇貨に

 

「消費税減税」は一石二鳥、トランプ氏への“お土産”にもなるが…

たしかに、ここで減税を打ち出せば、参院選を前に国内の支持も得られるし、トランプ氏への“お土産”にもなる。

だが、財務省や財政再建派の議員は「赤字国債の膨張」「社会保障財源の崩壊」と強く反対する。消費減税を交渉カードとして提示するか否か、石破首相がギリギリの判断を迫られているのは確かなようだ。

4月7日夜。石破茂首相は、電話の向こうにいるトランプ大統領に語りかけた。

「日本は5年連続で米国への最大の投資国であり、同盟国として、雇用創出と経済成長にも貢献している」「アメリカの関税措置により、日本企業の投資余力が減退することを強く懸念している」

石破首相は切々と訴え、トランプ大統領に“例外措置”を求めた。しかし、その誠意が通じた様子はない。

むろん、石破首相は電話会談の成果を強調する。「今後も率直かつ建設的な協議を続けていくことを確認をいたしました。双方において、担当閣僚を指名し、協議を続けていくということにいたしました。こうした協議を通じて、アメリカ合衆国に対し、措置の見直しを強く求めていくものであります」

だが、このコメントに不安を覚えた人は多かったに違いない。担当者を決めて協議していくなどという形式的で中身のない合意は、ほとんど相手にされていないことに等しい。案の定、電話会談からわずか数時間後、トランプ大統領は自身のSNSにこう書き込んだ。

「日本は貿易でアメリカをひどく扱ってきた」「日本はアメリカの車を買わないのにアメリカは数百万台の日本車を買っている」

すべては振り出しに戻った。いや、それ以上に悪化したと言ってもよい。

“アメリカにとっての最大の投資国”という地位は、かつてなら外交カードとなった。しかしトランプ氏の目には、そうした数値は「当然の負担」でしかない。自らの選挙民に向けて、「いかに相手国から譲歩を引き出したか」が重要なのであって、どれだけ投資しても、それが“免罪符”になるとは限らない。

ましてや、「相互関税」という本質的にトランプ氏の国内向け政治パフォーマンスに過ぎない政策の前では、合理的説明や経済的整合性など、ほとんど意味をなさない。

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