配送業をマクロに眺めれば、「お疲れ様です」という言葉のやりとりなど意味はありません。荷物がどうロジスティックに処理されるかだけが鍵であり、その点から言えば、やりとりや起こるかも知れない世間話などは業務の効率を落とすだけのものでしょう。
でも、運んでいるのは人間なのです。ロボットではありません。
「ありがとう」や「お疲れ様です」という言葉によって、生じる何かがまったくないだなんてとても思えません。
それ以上にです。荷物を届けて嬉しがってくれる人の顔が思い浮かぶからこそ、商品を丁寧に運ぼうという気持ちが生まれるのではないでしょうか。仕事にまつわる倫理観は、常にお客さんの顔を通してしかイメージできないのではないでしょうか。
もちろん、仕事によってはお客さんと直接顔を合わせることができないこともあるでしょう。すべての仕事に、顔の出会いを求めるのは無理があると思います。それでも、個人宅に商品を届ける仕事はその範疇には入っていないような気がします。
もちろん、こんなことは単に私の想像であって、配達している人は実に気楽に、かつ誠実に、満足して仕事をしているのかもしれません。でも、そうでないとしたら何か欠けたところがきっと存在しているのでしょう。
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