徹底したローカライズ
2社ともこうした動きを紹介し、『自動車商業評論』では、40年の歴史を持つ上海モーターショーにおいて、トヨタは象徴的な変革を遂げた。
1985年から2025年にかけ、中国自動車産業は「市場と技術の交換」から「技術輸出」へと進化してきたが、トヨタもこの歴史的転換点に的確に対応してきた。
「立全球、更中国(グローバルに立ち、中国に深く)」を掲げ、徹底したローカライズを実現。
その一つの証左が、レクサス単独出資の上海工場であり、管理体制・研究開発・商品開発・サプライチェーンまで全方位で中国向けに刷新した、と評価。
現地完結型へ
『自動車人視線』は、「中国人による中国市場向け商品開発」が本格化しており、単なる現地生産ではなく、現地でニーズを掴み、現地で設計・開発し、現地で最適な製品を生み出す体制が整った、とした。
bZシリーズはかなり中国限定シリーズの色合いを帯びてきているが、それが芽を出し始めているのは、ローカルチームの能力と自由裁量の結果とした。
外資成功のロールモデル
『自動車商業評論』は、トヨタの変革は単なる技術力の誇示ではなく、「安心・安全・先進」という三位一体の新たな価値体系に基づくものであり、それが外資系の中でも突出していると高く評価。
また、『自動車人視線』は、「トヨタのように、本当に現地チームに権限を委ねる覚悟を持った企業だけが、中国市場で新たな成功を掴める」と結び、トヨタを未来志向型の「成功する外資系」のロールモデルと位置付けた。
VWはドイツ人登場
bZシリーズのナンバリングには迷走感が垣間見えるトヨタだが、日本人の登壇がなかったことに対して、中国現地では強く印象に残った形。
そういえば、VWは今回の上海ショーで、本社のドイツ人トップが登壇していた。
現地のことは現地で、トヨタの思い切った中国改革が中国現地でも受け入れられ始め、トヨタの中国における評価を上書きしようとしている可能性がある。
出典: https://mp.weixin.qq.com/s/YCxL-tAnXnlpLKNmEElYNA
※CHINA CASEは株式会社NMSの商標です。
この記事の著者・CHINA CASEさんのメルマガ
image by: Robert Way / Shutterstock.com