コメの価格を下げるには「減反」政策を完全にやめるしかない
小泉大臣は6月に備蓄米を「5キログラムあたり2160円」で店頭に並ぶようにすることを至上命題として動いている。
当然、小泉大臣の目標は達成できるだろう。コメの危機を脱出する“プロジェクトX”の栄えある協力者として、20社近い有名企業が儲けを度外視して次々と馳せ参じているのだから。
しかし、放出する備蓄米の量は限られている。契約した企業の店頭にこの価格のコメが並べられても、それに合わせて全国津々浦々まで全てのコメが安くなるわけではない。スーパーに行ってたまたま備蓄米に遭遇したらラッキーだが、なかったら不満も出るだろう。
小泉大臣は「2000円の備蓄米を入れて、この異常な高騰をなんとか抑え込んでいきたい」と主張するが、そもそもコメの供給量を増やさないで、全体の価格が下がるとは考えにくい。
生産調整、いわゆる「減反」政策を完全にやめて、増産に舵を切り、余ったコメは海外に輸出する。そのような前向きの政策転換を実行するほか、コメ不足の問題は解決しないのだ。
農水省は「コメは足りている」と言い張ってきたが、それがウソであることははっきりしている。
もちろん、小泉大臣はそんなこと百も承知だ。「なかなか(コメの)不足感ありますから、具体的な新たな取り組みをしなければならないということで、もう減反をやめるんだと」。
20日夜に森山裕幹事長から農水相ポストの打診を受けたさいも「この局面で大事なことは組織・団体に忖度しない判断をすることだと思うが、それでいいですか」と念を押したほどである。(次ページに続く)








