小泉農水大臣の「好かれたい病」を利用する自民農水族ドン。「コメ5kg2160円」で参院選勝ち確、農政改革に踏み込めない「進次郎のひ弱さ」まで計算か

 

小泉大臣の“好かれたい病”と意志薄弱を森山幹事長は見抜いている

だが、小泉大臣に根本的な農政改革ができるとは、どうしても思えない。既得権益の破壊者であろうとすれば、嫌われる覚悟が必要だ。

小泉氏が党農林部会長を務めていた時期(2015年10月~17年8月)に主導したのは農政改革というより「農協改革」だった。「JA全中が経営指導で地域ごとの農協を縛る権限をなくし、個々の農協、農家の創意工夫を伸ばす環境に変える」。そんな目標を掲げて農協組織に切り込もうとしたが、JA全中は全国の組合員を動員して自民党に圧力をかけた。農水族議員が抵抗勢力となり、党内対立が激化した。

このため、混乱をおさめるべく、二階俊博氏や森山裕氏ら一部の自民党幹部が調停に入った。いかにも自民党的な解決の仕方を小泉氏は受け入れた。そして、JA全中の改革は骨抜きとなった。そこには、“好かれたい病”にとりつかれた小泉氏のすました顔があった。

今後、もし小泉大臣が減反政策の完全廃止にまで踏み込む強い姿勢を見せたら、どうなるか。むろん、農協と農水族議員が抵抗し、大騒ぎになるだろう。

実質的な減反が今も継続されていることによって得ている“利権”を失えば、確実に農協の弱体化がはじまる。それは、農協の集票力や資金力をあてにしている農水族議員と、天下り先を確保したい農水省にとって、絶対に阻止したいことに違いない。

そのさい、小泉大臣が腰砕けにならず、改革を遂行できるかと考えた時、また10年前と同じように、森山幹事長ら大物農水族議員の口車に乗って、「玉虫色決着」で妥協してしまうのではないかと懐疑的になってしまうのだ。

森山幹事長は、瀬戸際における小泉氏のひ弱さを計算したうえで、農相就任を要請したのであろう。(次ページに続く)

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