中国の新興EVメーカーとして急成長を遂げてきたNETAが、2025年5月、破産手続きに入りました。かつては中国国内で38万台以上を販売し、海外市場にも進出するなど勢いを見せていましたが、資金難・給与未払い・訴訟トラブルなどが相次ぎ、経営は急速に悪化してしまいました。現在では、多くのオーナーがアフターサービスを失う可能性がある深刻な事態となっています。日刊で中国の自動車業界情報を配信するメルマガ『CHINA CASE』では、NETA破産の背景、波紋、そして中国EV市場に与えるインパクトを詳しく解説しています。
NETAが破産、中国38万人、海外3万人のオーナー路頭に迷う?!
中国新興ブランド「NETA」を展開する合衆(HOZON)が2025年5月、破産手続きに入った。
NETAは一時、急成長を遂げ、2022年から2023年にかけては急速に販売台数を伸ばし、中国国内で現在までに累計38万台以上を販売した。
さらに、東南アジア市場、特にタイでも一定の市場シェアを獲得し、中国国外でも存在感を示していた。
しかし、今回の破産手続きにより、多くのオーナーがアフターサービスの提供を受けられなくなる危機に直面している。
同名の中国製アニメ映画『NEZHA 2』は歴史的大ヒットだが、EVの方はダメだった。
もともと経営危機
破産の原因は多岐にわたる。販売急減を経て、2024年から2025年にかけて、NETAは従業員への給与未払い、工場の生産停止などが相次いだ。
最近では、サプライヤーからの債権請求、さらには車両管理アプリの接続障害によるオーナーの訴訟など、深刻な経営危機に直面していた。
新興企業として、300億元(約6000億円)前後の資金を調達しながらも、それを使い果たし、黒字化を達成できず、最終的には浙江省嘉興市中級人民法院で破産手続きが開始された。
アフターは無理
破産手続きにより、NETA車を所有するオーナーは、保証修理やメンテナンスサービスを受けられなくなる可能性が高い。
特に、中国には企業の破産に伴う自動車オーナー救済策が存在しないため、修理や部品調達は自己負担となり、オーナーは路頭に迷うことになる。
また、タイなど海外市場で販売された車両についても、現地の販売代理店やサービスセンターの対応が不透明で、アフターサービスが停止するリスクがある。
中国EVの持続可能性
この事態は、中国製EV全体の信頼性にも影響を及ぼす可能性がある。
これまで中国製EVは「低価格で使い勝手が良い」と評価されていたが、今回のNETAの破産により、中国企業の持続可能性やアフターサービスへの懸念が一層顕在化した。
特に新興メーカーに対する消費者の信頼は揺らぎ、他の中国EVメーカーにも影響を及ぼす可能性がある。









