山尾叩きが玉木叩きに変化。国民民主党の“不倫は時効”作戦はなぜ破綻したのか?世論操縦不能、支持率急落のまま7月参院選へ

 

不倫疑惑の説明から逃げる山尾氏。相手の妻は自死、世論は猛反発

週刊文春が報じた山尾氏の不倫疑惑。「男女の関係はなかった」と公言し、これまでそれに関するメディアの質問に山尾氏は全く答えていない。

しかも、不倫相手といわれる男性の妻が離婚後の2020年に自殺したことも同誌によって報じられている。そのため、世間には、他人事ながら山尾氏に憎悪の感情を抱く人々も数多いとみられた。

山尾氏が出馬会見をすれば、ノーコメントを貫いてきたそれらの問題について、記者たちから容赦ない質問が飛んでくるのは間違いない。山尾氏は憲法改正に前向きな国民民主党の理念に影響を与えた改憲論者であり、リベラル系のフリージャーナリストからはもともと厳しい視線を向けられている。

そんな不安に苛まれながらも玉木代表が山尾氏の出馬表明会見を認めたのは、うまく切り抜ける方策があるのだろうと、これまた甘い観測をしてしまったからにほかならない。山尾氏が自ら辞退しない以上、不倫などいくつかの疑惑について会見で説明責任を果たし世間を納得させるほか事態収拾の道はない。

だが、6月10日に開かれた山尾氏の出馬会見は、玉木代表らが期待したものとはほど遠い内容だった。予想通り、多くの質問が不倫疑惑に集中したが、山尾氏は、あらかじめ決めていた言葉を繰り返すばかりだった。

「新しく言葉を紡ぐことはご容赦いただけたらと思う。いろいろな思いの人がいて、いろいろな立場がある。今何かを話せば、さまざまなご迷惑をおかけすることもある」

何を言っているのかわからない。色々な思い。さまざまなご迷惑。いったい誰のことを気遣っているのか。記者たちは辛辣な言葉を浴びせかけた。

「奥さんを死に追いやったような方が優しい国づくりなんて、おかしい」

「山尾さんは不倫関係を否定した。ウソをつき続けるのか。それとも不倫を認めるか。答えないと立候補する資格はない」

記者たちの感情論には辟易するが、こういう質問に対して曖昧模糊とした言い方でかわそうとするのでは、うまくいくはずがない。捨て身の覚悟をもって、包み隠さず事実を話すしか、信頼される政治家として復活する道はないのではないか。(次ページに続く)

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