楽天モバイルの大誤算。好材料を活かしきれなかった「料金表記」の落とし穴

 

ただ、唯一、残念だったのが、セット料金を「最強家族プログラム適用時」のみで表記したことだった。

楽天モバイルとしてはできるだけ安価に見せたいという本心から、110円安い料金表示に統一したのだろうが、あれでは誠意がなさ過ぎる。

やはり、ちゃんとメディアやユーザーに魅力を伝えたいのであれば、通常時の金額と割引適用時を併記する、あるいは通常時の金額表示のみにすべきだった。

単に発表会に使ったプレゼン資料だけでなく、プレスリリースにも通常時の金額表記がなかったのは本当に不親切だ。

発表会における料金表示においては、KDDIがAmazon Primeとのセット料金発表で「さよなら、au」をネットで炎上したし、つい最近も、NTTドコモが「ドコモMAX」で、各種割引を提供したあとの金額を訴求して「わかりにくい」というバッシングを浴びている。

なぜ、楽天モバイルは他社の失敗を教訓にすることができなかったのか。

どんなに「わかりやすいシンプルなプラン」を訴求しても、その金額自体がわかりにくかったら、結局、ユーザーを欺いていることになる。

そもそもの料金プランの内容や発表会の立て付け、経営に及ぼす効果など、練りに練られた「Rakuten 最強 U-NEXT」だっただけに、110円のせいでなんとも後味の悪い印象が残ってしまったのが本当に残念だ。

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日経トレンディ編集記者として、ケータイやホテル、クルマ、ヒット商品を取材。2003年に独立後、ケータイ業界を中心に執筆活動を行う。日経新聞電子版にて「モバイルの達人」を連載中。日進月歩のケータイの世界だが、このメルマガ一誌に情報はすべて入っている。

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