家庭での防災対策として、水や食料のローリングストック、簡易トイレをはじめとした衛生グッズの補充など、少しずつ進めている人も多いでしょう。
一方、火災への備えはどうですか?
代表的なツールといえば消火器ですが、今パッと使える場所にあるか? 消火器の使い方を理解できているか? その場でパニックにならずに使えるのか ……考えるほどに不安になってくるのが火災対策です。
そんな「何をどう備えたらいいか」という悩みに応える1つの方法として、スプレー式の簡易消火具「FIRE OUT」があります。
この「FIRE OUT」は、防災先進国である台湾で開発されたプロダクト。
たとえば殺虫剤スプレーと同じように、キャップを外して噴射口を火元に向けてノズルを押し込めば、スプレー状の消火剤が噴射される仕組みです。
そんな「FIRE OUT」を家庭用の防災グッズとして備えたい理由を3つに分類して解説しましょう。
1. ワンプッシュで簡単に使える
財団法人日本防火協会によると、「何かに火がついた状況から、2分前後で平面の火種が壁などに移る」のだそう。つまり、最初の2分間に消火できれば、被害を最小限に抑えられる可能性が高まります。
火災対策として代表的なツールは消火器ですが、集合住宅では業務用消火器の設置が義務付けられている一方、戸建て住宅のような所有物件での消火器の設置は義務ではないため、後回しになっている人も少なくないでしょう。
すでに消火器を備えているとしても、咄嗟のシーンでパニックにならずに消火の手順を踏めるのか不安は残ります。
東京消防庁が発信している消火器の使い方を改めてチェックしたところ、筆者が学生だった遠い昔に防災訓練で教わった記憶が蘇りました。これを読まずにいざ本番となった場合、正しく取り扱えるのか不安です。
消火器を使うときの基本的な流れ(東京消防庁より):
- 「火事だ!」と大きな声で周囲に知らせる。
- 近くの消火器を運ぶ(運搬中の転倒に注意する)。
- 「安全ピンを抜く」「ノズルを火元に向ける」「レバーを強く握る」の手順を踏み、火元へ向けて発射する(消火器を最後まで放射する)。

また、高齢者や小さい子どもが消火器を持ち運べるのか、正しく使えるのか、不安は尽きません。

そんな課題感を解決してくれるのが「FIRE OUT」です。
先にも説明したとおり、キャップを外して噴射口を火元に向けてノズルを押し込めば消火剤が噴射されるという、シンプルで簡単に使えます。
重さは約535gとペットボトルのお水500mlより少し重たい程度で、筆者は片手で問題なく持てました。

小型軽量、難しい操作もいらない「FIRE OUT」なら、出火してから2分の間にパニックにならずに使えそうな気がしませんか。
2. 高い安全性の基準をクリアしている
「FIRE OUT」の魅力は、使いやすさだけではありません。
総務省消防庁の消火性能試験5項目(小規模普通火災、天ぷら油火災、電気火災、ストーブ火災、自動車クッション火災)に合格しています。
また、「FIRE OUT」は水溶性の消火剤を使用しているため、粉末の消火剤を使っている消火器に比べて、片づけが簡単なのが特長です(ただし、「FIRE OUT」を水に弱い精密電子機器などに使用した場合、電子機器が再度使えなくなる可能性があります)。
なお、90℃の耐熱試験に合格しており、車両に搭載することもできます。ただし、使用温度範囲の上限が40度なので、夏場など高温になる場所での使用には注意が必要です。

筆者の通勤リュックと並べてもこのコンパクトさ。防災リュックにも入れられるサイズ感です。
3.維持するハードルが低い
タバコの不始末から天ぷら油火災まで幅広い原因の火災に対応できて、しかも使い方も簡単。消防庁の消火性能試験5項目に合格した簡易消火具が1万円台で手に入ります。
今はおしゃれなデザインだったり安価な家庭用消火器も存在しますが、本来の目的である「消火」を目的に選んだほうが本質的でしょう。
なお、一般的な家庭用消火器の使用期限は約5年。それに対して「FIRE OUT」は使用期限が製造から3年なので、やや短いサイクルで交換が必要ですが、捨てるときは通常のスプレー缶と同じ処分方法で捨てられるのが最大のメリット。
さらに、残った消火剤は出し切っても問題ない「無毒検査済み」なので安心です。
一方で、家庭用消火器の捨て方は住んでいる自治体によるので、導入前に捨て方までチェックしておくと、解像度が上がって導入ハードルも下がると思います。
今回紹介したスプレー式の簡易消火具「FIRE OUT」は消火器の代替品ではなく、あくまで初期消火を補助する役割を果たすもの。とはいえ、あるとないとじゃ安心感は大違い。
来る9月1日は防災の日です。いざという時にサッと使える消火具を手に入れて、安心感をアップグレードしてみませんか。
著者紹介:米島小百合

ガジェットや生活雑貨などツール企画を担当。家具家電、効率化ツールを駆使して暮らしを快適にキープするのが生きがい。
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Source: 財団法人日本防火協会,日本消火器工業会(1, 2, 3), 東京消防庁
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