「石破おろし」に成功し、党勢盛り返しに向けた総裁選の準備を進める自民党。しかし国際関係アナリストの北野幸伯さんは、石破氏の退陣だけでは自民の復活はないと断言します。その理由はどこにあるのでしょうか。北野さんは自身の無料メルマガ『ロシア政治経済ジャーナル』で今回、そう判断せざるを得ない根拠を解説。さらに自民党が支持率を回復させるために打つべき手を3つ挙げています。
※本記事のタイトルはMAG2NEWS編集部によるものです/原題:石破さんが辞めただけでは自民党が復活しない理由
石破さんが辞めただけでは自民党が復活しない理由
皆さんご存知だと思います。石破総理が9月7日、辞任を表明しました。
石破さんは辞めますが、それで自動的に「自民党復活!」とはなりません。なぜ?
自民党は、『国民政党としての再生に向けて』という報告書を出しています。内容は、「なぜ参議院選で惨敗したのか?」の分析結果です。誰でも読めますので、是非ご一読ください。
● 第27回参議院議員通常選挙総括委員会 報告書 「国民政党としての再生に向けて」~参議院選挙の結果分析と課題抽出~
読んだら、正直、「こりゃダメだ!」と思いました。全文は、是非自分で読んでいただきたいと思いますが。
報告書では、物価高対策として「現金給付(自民党)か減税(全野党)か」の議論が巻き起こったことに触れています。これは確かに自民党が敗北した大きな要因でしょう。
これに対して報告書は、「説明する姿勢・体制がとれず」「十分に対抗できなかった」としています。要するに、「自民党の給付金案は正しかったが、説明不足で国民に十分理解されなかった」という意味。
敗因分析が間違っていれば、対策も間違ったものになります。であれば、自民党が復活することはできないでしょう。
では、どうすれば、自民党は復活できるのでしょうか?
国民民主党の躍進から学ぶ
まず、「自民党が負けた真の理由」を理解しなければならないでしょう。
自民党が負けた理由は単純で、【国民の意志を全然尊重していないから】です。どういうことでしょうか?
昨年の衆議院選挙で、「手取りを増やす!」(=減税する)の国民民主党が大勝し、議席を4倍増やしました。昨年の衆議院選挙で、【国民は減税を望んでいること】が明らかになったのです。
この結果を受けて、自民党以外のすべての政党が変わりました。それまでは、「裏金問題」に焦点をあてていたのに、一斉に「減税!」を主張しはじめたのです。
しかし、自民党だけは、最後まで国民の意志を無視しつづけました。「せこい」「しょぼい」「2万円給付」で、ごまかせると思った。ですが国民は、(石破さん式にいえば)「なめられてたまるか!」と、自民党に「NO!」を突きつけたのです。
では、自民党はどうすればいいのか?簡単です。選挙で明らかになった国民の声を聞いて、減税をすればいいのです。最低でも、「食料品の消費税を1年間ゼロにする」。もっといいのは、「食料品の消費税を恒久的にゼロにする」。一番いいのは、「消費税率を5%まで引き下げる」。
これで、自民党の支持率は、かなり回復するでしょう。
◆自民党を復活させる方法1=国民の意志を尊重して、減税する









