世界の今後を占うため重要となる日本の立ち振る舞い
【もう世界の警察官として紛争を強引に収めに行こうとしないアメリカ】
【いろいろなところに手を出していても、かつてほどの影響力をまだ行使できないロシア】
【超大国化し、アジアを席巻している中国は、世界的な支配の野心は持っておらず、直接的に武力を用いて事態の鎮静化を行うつもりがない状況。しかし、制御不能に陥りつつある中国人民解放軍と中国共産党との確執の表面化】
【影響力の著しい没落に恐れを抱き、もがきながらいろいろと口を出してみるものの、行動が伴わず、危機の救世主とはなり得ない欧米諸国】
【欧米中心の国際秩序にNOを突き付けるという共通の方向性は共有しても、決して群れることなく、実利主義の下それぞれの道を行くグローバルサウス諸国】
【暗い歴史と酷い矛盾を今こそ正そうとするアラブ諸国と、地域における一強となり、力への過信と歴史的な宿命に駆られて対立を生むイスラエルとの間で高まる究極の危険な緊張】
【そしてpost-colonialismの体制が崩壊し、再び戦いの大陸と化しているアフリカの混迷】
【トランプ大統領のアメリカが回帰するラテンアメリカ諸国への圧力と、再燃する反米抵抗の動きが作り出すカオス】
【既存の主権国家体制を脅かし、分裂を生み出す非政府組織の過激化と興隆】…。
安定と安寧のために皆同じ方向を向いて進み、協調を高めていた第2次世界大戦後の国際秩序は崩れ去り、各国がそれぞれの利害に基づいて判断し行動するブロック化の時代への回帰と、力がものをいうパワーポリティックスの顕在化が見て取れます。
分裂が進む中でも、これまで培ってきたglobalismによる網は、当初の思惑とは逆に、各国間の相互不信とエゴを伝える道具になってきていると考えます。
大国と呼ばれる国々や地域が【世界秩序の構築と維持】のために掲げるべき共通の軸や理念が存在しない中、世界はいつドミノ的に崩れてもいいような緊張と不安に溢れた場所になってきているように感じます。
そのような中、日本はどのように振舞い、どのような役割を果たすのでしょうか?
私たちが感じ思っている以上に力があり、世界からその一挙手一投足が注目されている日本の立ち振る舞いと戦略は、今後の世界の有り様を占うために重要な要素となると考えています。
来週にはクリスマスやハヌカのお祝いがあり、気が付けば今年も終わりを迎えようとしていますが、多くの深刻な揉め事と、答えを見つけなくてはならない宿題は、どうも来年に持ち越されることになりそうです。
以上、今週の国際情勢の裏側のコラムでした。
(メルマガ『最後の調停官 島田久仁彦の『無敵の交渉・コミュニケーション術』』2025年12月19日号より一部抜粋。全文をお読みになりたい方は初月無料のお試し購読をご登録下さい)
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