現時点では未知数の「裏金議員を厚遇する判断」の是非
後は、旧清和会、旧宏池会などの「裏金議員」に対して総理が厚遇することの得失ですが、これも未知数です。自民党内には「みそぎ」が済んだなどという声がありますが、甘い感じもします。何よりも、裏金が「地方選挙区の涵養」に使われたとなると、やはり都市の有権者は許さないからです。
いずれにしても、現時点では少なくとも高市氏の側から見た場合には、解散に踏み切った判断には、ある程度の合理性は認められます。それが票になるのかどうかは今後の展開次第です。
最後に筆者個人の見方ですが、日本社会の、そして経済の生産性を改善するのはどうしても不連続な改革が必要です。喫緊の問題としては5点あります。
「教育改革として、英語のできる理系、財務諸表の読める経営管理者、利害相反局面における調整スキル、といった人材を各百万単位で生み出す」
「雇用改革として、AIを使う側の高次元の現場スキルを持った人材と、AIに代わられる人材を入れ替える仕組み」
「官民の管理コストをDXで劇的に改善する標準化の断行、例えば苗字における異体字の非公式化」
「農林水産業の総見直しと、地方への知的産業の移転、同時に地方における封建遺制の撲滅」
「グローバリズムへの最適化国家への脱皮、英語、国境管理、通商、食糧資源調達のそれぞれにおいて、冗長性を確保しつつ越境流動の摩擦抵抗の除去」
まあ、こうした改革については「やり遂げて、ようやく食っていける」問題だと思うのですが、現在の世論動向、政治情勢からすると非常に難しいのが現実です。問題が比較的見えていた菅義偉氏にしても、志半ばで舞台から去ることになりました。その意味では、右派ポピュリズムを利用する姿勢には賛否両論あるのは分かりますが、こうした改革の問題でも高市式の二重性を使った取り組みに期待するしかないのかもしれません。
※本記事は有料メルマガ『冷泉彰彦のプリンストン通信』2026年1月20日号の抜粋です。ご興味をお持ちの方はこの機会に初月無料のお試し購読をどうぞ。今週の論点「AIで管理職が不要にというネタにビックリ?」「旧年中のエンタメ寸評(映画「国宝」)」、人気連載「フラッシュバック81」、読者Q&Aコーナーもすぐに読めます。
この記事の著者・冷泉彰彦さんのメルマガ
初月無料購読ですぐ読める! 1月配信済みバックナンバー
- 【Vol.622】冷泉彰彦のプリンストン通信 『衆院選に関する3つのファクター』(1/20)
- 【Vol.621】冷泉彰彦のプリンストン通信 『米政治日程と課題解決の時間感覚』(1/13)
- 【Vol.620】冷泉彰彦のプリンストン通信 『マドゥロ拘束作戦、8つの観点』(1/6)
image by: 首相官邸









