自民・高市政権「消費税12%論」の噂は何を意味するのか?選挙後に浮上すること間違いない“本当の議論”とは

 

全く反省の色を示さない「裏金議員」たちが持っている信念

いずれにしても、裏金問題は更に彼女の選挙を厳しいものにしました。その結果として、ある読者の方の命名ですが、左翼でも右翼でもない「下翼」の票に、つまり投票所にくるかも分からない層に訴求する必要をアドバイスされたのだと思われます。勿論、全く免罪にはならないし、同情の余地もありません。ですが、メカニズムとして、この候補がそうしたポジションに追い込まれたという可能性は見ておく必要があると思います。

さて、丸川氏も関与リストに入っていた「裏金問題」ですが、今回の総選挙では名前の挙がっている政治家も、公認しかつ比例重複も認めるとしています。そうした措置については、政権としては旧清和会の有力者には党内でも、また国会でも仕事をしてもらおうと考えているのは分かります。そのぐらい、党内では今でも存在感を持っているからだということも推測がつきます。

その上で、ここからは推測になるわけですが、丸川氏の場合は別として、いわゆる大物政治家がどうして裏金作りに走ったのかというと、「自分の陣営がパー券を売ったのだから、ノルマ以上の分は勝手に使ってもいいだろう」という理屈があるのは、推測がつきます。また、そのカネについては私腹を肥やしていたのではなく、政治活動、具体的には選挙区の涵養と、配下の議員への政治活動資金として分配された、これも推測がつきます。

裏金問題で名前の挙がった議員たちが、全く反省の色を示さないのも、全く罪悪感を顔に出さないのも、カネは政治のために使ったし、必要なカネだったという信念のようなものがあるからで、これも推測がつきます。また、では地方における帳簿外の政治活動費というのは、具体的には飲食、冠婚葬祭、交通費であろうというのも推測できます。

そこに、地方の政治活動組織における「タカリ構造」もっと言えば「収賄気質」があるという非難も可能ですし、例えば「桜を見る会」騒動や「観劇ツアー」問題などはそうだと思います。有権者の中のキーパーソンを怒らせたくないということで、議員秘書たちがブラック性満点のカスハラ被害に遭っていたということも、想像ができます。では、この種のカネについて正当化できるのかというと、それは無理でしょう。違法は違法です。

問題はその先です。岸田氏が恐らくは清和会の「息の根を止める」ために、捨て身でやった裏金暴露ですが、その結果としては個々の問題はウヤムヤになりそうです。仮に高市政権が今回の選挙に勝ったとしたら、相当程度はウヤムヤになると思います。ですが、問題は地方の事情です。

地方に行くと、本当に人口密度は低くなり、その結果として衆院選の選挙区は人口20万ぐらいになる一方で、選挙区は広大になります。高市氏の奈良3区なども広大ですが、さすがに南半分の紀伊山地は捨てるしかないので、準都市型選挙になります。ですが、例えばですが、和歌山2区、島根2区、徳島1区、徳島2区、高知1区、高知2区、などは選挙区の広さは大変です。

岩手2区とか、北海道12区とかも悲惨です。こうした地域の場合には、いったいどんな選挙をやっているのか、いわゆる飲食などを伴う裏金政治ができなくなった現在、どんな影響が出ているのかは興味深いと思います。結果的に野党陣営が有利になったのか、それともネットのコミュニケーションが結果を左右するようになったのか、など分析が必要だと思います。

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