それまでのAさん。
常に目の前の数字にばかり気を取られていた。
・目標にあと〇〇万円足りない
・アポ率が下がっている
・この案件を落としたら2カ月ゼロだな
頭の中は“ノルマを達成すること”でいっぱいだった。
しかし、気づきの後は違った。
「今日も元気に動ける」
「今日もお客様に会えるしチャンスはある」
「話を聞いてもらえるだけでありがたい」
と思えるようになっていた。
これは“スケアシティマインド”から”アバンダンスマインド”への転換といえる。
スケアシティマインドとは“持っているものが常に足りない、成功や資源は限られている”という考え方。
これではどうしても「他から奪う」という考えになる。
これは言わずともお客様に伝わってしまう。
その逆に、アバンダンスマインドとは“心が満たされている状態や、可能性を信じる”という考え方。
こうなると「人から奪う」ではなく「自分が持っているものを与える」という考えになる。
お客様は営業スタッフの雰囲気に敏感。
与える気持ちで接することで「この人、なんかいいな」という印象を与えられる。
以前のAさんは商談の際、軽く雑談をしたあと「早速ですが、商品のご説明をさせていただきます」と進めていた。
今現在は「まずは、今お困りのことを教えていただけますか?」とヒアリングから入るようになった。
悩みや問題点が分からないと手助けができないから。
すると、お客様の反応が変わる。
・警戒が解ける
・本音が出る
・真剣に悩みを話してくれる
こうなるとお客様の悩みに“ピンポイント”で解決策を提示できるように。
お客様から高評価に。
契約が取れた上に紹介率まで上がったのだ。
Aさんの営業スキルやトークが変わったわけではない。
変わったのは“営業に対する考え方”だけ。
これだけで一気に流れが変わる。
さらに詳しく話を聞くと、Aさんは商談前に「営業活動できるだけでも幸せ」ということを思い出すようにしているという。
これを習慣にした。
その結果、断られても落ち込まなくなった。
目の前の結果ではなく“営業活動ができていること”に感謝する。
これは極めて重要な考え方になる。
さらにAさんは強引なクロージングをしなくなった。
お客様のことを考え「今はまだタイミングではないですね。また声をかけてください」と身を引くようになった。
その場では決まらないこともある。
しかし、その後、お客様から「話を進めたい」と連絡が入り、契約になることが増えた。
お客様に理由をすると「私たちのペースで考えさせてくれたから」という。
余裕は信頼を生むもの。
これも“今ここで元気に営業ができている”という感謝から生まれたのだ。
営業がつらい。
結果が出ない。
それは誰もが通る道。
しかし、営業できる状態にあること自体が、どれほど恵まれているか。
・動ける体がある
・話せる相手がいる
・行ける会社がある
これは当たり前ではない。
これを感謝すべきなのだ。
営業活動をする前に、自分に「営業できることに感謝しているか?」と問いかけて欲しい。
感謝の気持ちを持って臨む。
これで営業人生は大きく変わるものだ。
【本日のポイント】
- 営業できること自体に感謝する
- 欠乏ではなく充足のマインドを持つ
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